やさしい乳化のはなし② | いつもの化粧品に夢と希望を!ワイオーラボラトリー

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実際にどうやって作られているかをご紹介。

そして求められている化粧品とは
どのようなものなのかを追求しています。

目指すは
“正しい化粧品で清く美しく”

化ベース!

 

 

 

こんにちは!

Y.Oラボラトリー、所長の桃沢です。

 

 

 

前回、乳化という現象、技術について

 

お伝えしましたので、

 

今回はその技術を用いた製品、

 

「リキッドファンデーション」の製造工程について

 

モリモリご紹介していきます!

 

 

 

なぜ「リキッドファンデーション」かというと、

 

乳化技術はもちろん、

 

色を加える工程や

 

気をつけるポイントなど、

 

製造するときの基本が詰まっているからです。

 

 

 

それに、

 

私が始めて作ったのも

 

たくさん作ったのも

 

リキッドファンデーションだったので、

 

何かと思い出深い製品だからです!

 

 

 

最近では、

 

リキッドファンデーションを

 

手作りする方もいるようですが、

 

実際に作っていた私からすると、

 

ただただすごいな~っと思います。

 

 

 

リキッドファンデーションの製造工程は、

 

化粧水等に比べて結構複雑なので、

 

難易度が高いのですが、

 

手作りキットの進化というべきか、

 

作る方々の熱意というか、

 

ほんとに感心します。

 

 

 

さてさて、

 

まずはリキッドファンデーションの

 

パーツを見ていきましょう。

 

〇 乳液(以降乳化ベースと呼びます)

 

〇顔料ペースト

 

これらを混ぜ合わせることで完成します。

 

それぞれの工程を説明していきますね。

 

 

 

〇乳化ベース

 

乳化物なので、当然水と油が存在します。

 

水(水相)には、精製水の他、

 

グリセリンやブチレングリコールなど

 

保湿剤を入れる場合がほとんどです。

 

 

 

他にも、

 

パラベンに代表される防腐剤を

 

入れることがありますが、

 

最近はパラベンフリーなどが

 

人気を集めていますので、

 

その代わりに、

 

天然由来のフェノキシエタノールを

 

入れることが多々あります。

 

これは、

 

水相に入れたり、

 

油(油相)に入れたり、

 

処方によってタイミングも様々です。

 

 

 

油相には

 

やはり保湿性の高いオイルやワックス

 

界面活性剤を入れたりします。

 

 

次に、両者を加熱して混ぜ合わせます。

 

乳化は温度が60~80℃くらいのときに

 

もっとも効率よく反応が進むので、

 

大体の場合がこの温度帯で混ぜていました。

 

 

 

この乳化作業のときは面白いです!

 

少しずつ混ぜていくのですが、

 

さっきまでシャバシャバだった液体が、

 

だんだんトロみを帯びて白濁してきます。

 

しっかり反応してるな!という確認は必ず行います。

 

 

 

ここで一気にドバドバ入れたり、

 

温度が外れていたりすると、

 

うまく乳化していなかったり、

 

一見乳化したように見えても、

 

安定性が悪く、

 

経時で分離してしまうことがあります。

 

 

 

また、この乳化の仕方で、

 

粘性も決まってくるので、

 

気が抜けない作業です!

 

 

 

やはり工業的に作っているので、

 

品質の管理は徹底しています。

 

 

 

いつ、だれが作っても

 

同じ物が出来ないといけませんからね。

 

 

 

しっかり混ぜ合わせた後は、

 

ゆっくり冷やしていきます。

 

ここでも全体が同じように冷やさないと、

 

仕上がりにムラが出来たり

 

せっかくの乳化状態が分離したりするので

 

とても大事な工程です。

 

 

 

このとき、同時に「脱泡」といって、

 

空気を抜く作業を行います。

 

処方にもよりますが、

 

空気が噛んだままの状態で

 

製品を完成させると、

 

品質を管理する際の妨げになったり、

 

製品を容器に充填するときに、

 

量がばらついてしまうため、

 

この段階でしっかり空気を抜いておきます。

 

 

 

そうして出来上がったものが、

 

乳化ベースであり、

 

同じ工程で

 

乳液やクリームも作られます。

 

 

 

次はもう一つのパーツ、

 

〇顔料ペースト

 

についてみていきましょう。

 

 

 

メモ今日の一言

 

乳化ベースは

 

簡単に見えて

 

奥が深いです。