化粧水の作り方(工業的) | いつもの化粧品に夢と希望を!ワイオーラボラトリー

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実際にどうやって作られているかをご紹介。

そして求められている化粧品とは
どのようなものなのかを追求しています。

目指すは
“正しい化粧品で清く美しく”

しいぞ化粧水

 

 

こんにちは!

Y.Oラボラトリー、所長の桃沢です。

 

 

 

あなたは

 

“化粧水”を作ったことがありますか?

 

 

 

最近では、

 

手作りコスメをする人も

 

多くいらっしゃると思います。

 

 

 

自分に合った原料で、

 

自分だけのオリジナル製品。

 

容器なんかもそれ用に売られていますよね。

 

 

 

「私はこうやって作っています」

 

というように、

 

レシピを公開している方もいらっしゃいます。

 

 

 

たしかに、

 

作り方はいたってシンプル!

 

“精製水”に“グリセリン”などの

 

保湿成分を混ぜれば出来上がり!

 

 

 

あとはお好みで、

 

“精油”だったり“クエン酸”など

 

入れる方もいるでしょう。

 

 

 

それだけで出来るなら、

 

販売されてるものってなに?

 

と思いませんか?

 

 

 

当然、メーカなど企業では

 

商品コンセプトに合わせて、

 

様々な原料を組み合わせて添加することで

 

他との差別化を図っています。

 

 

 

工業的に化粧水を作るときの違いは、

 

・使う原料の数や種類

 

・作る量

 

・厳しい品質管理

 

といえるでしょう。

 

ひとつひとつ説明していきます。

 

 

 

・原料の数や種類

 

世の中には数多くの化学成分があります。

 

天然由来なのか合成なのか、

 

植物から抽出されたり、

 

かたつむりの粘液や

 

蚕の繭など

 

昆虫由来の成分も注目されています。

 

 

 

そういった数々の原料を

 

研究者の目で有効かそうでないか、

 

また、どのくらい配合するかなど処方を決め、

 

試作に試作を重ねて

 

ようやく製品が出来上がります。

 

 

 

そもそも、

 

企業が使っているような原料は

 

とてもとても高価です!

 

 

 

なかには、

 

1kgで数百万以上するものもあります。

 

実際に私が作ったことがある製品で、

 

億単位の金額になる原料を使った製品もありましたゲッソリ

 

 

 

・作る量

 

研究開発のときは当然少量です。

 

場合にもよりますが、

 

大体は1㎏もないでしょう。

 

 

 

そして完成した試作品を見本に、

 

いよいよスケールアップを開始します。

 

ここでもまた試作をおこないます。

 

 

 

数十㎏~数百㎏で一気に仕込めるように、

 

使う設備や手順の確認など、

 

最終的な工程までを考え、

 

量産工程を決めていきます。

 

 

 

大事なことは、

 

自社が持つ設備で、

 

試作品と同じような製品が作れるかということ。

 

 

 

どれだけすばらしい製品でも、

 

商品化出来なければ意味がありません。

 

 

 

例えば、

 

試作で精製水を 100ml 使ったとします。

 

それが実際の製造では何百リットル必要になったりします。

 

溜めるだけでも一苦労ですよね?

 

 

 

他にも、

 

粉体の原料を水に溶かす工程があったとします。

 

試作では少しかきまぜたり、

 

溶けにくければ少し温めるなど

 

大して気にもしないかもしれません。

 

 

 

これがスケールアップになると、

 

原料が何十キロにもなり、

 

溶かすにも数分撹拌し続けなければならなかったり、

 

熱を加えるにも、

 

水が温まるまで非常に時間がかかったりします。

 

 

 

しかも、

 

ここできちんと溶かしきらないと、

 

あとあとほかの原料と不要な反応を起こしてしまったり、

 

ダマになった原料がそのまま残ることになるので、

 

製品としては不良になってしまいます。

 

 

 

なので、開発担当者が

 

しっかりと製造の設備や工程を

 

理解して試作品を作らなければなりません。

 

 


・厳しい品質管理

 

工業的には、ここが最も違うかもしれません。

 

 

 

もちろん、

 

使う機械器具は清潔なものを使用し、

 

異物や雑菌の繁殖がない環境下で作ります。

 

 

 

そして、見た目や使用感、菌検査など、

 

あらゆる項目をクリアして

 

はじめて商品として出荷されます。

 

 

 

出荷された商品についても、

 

万が一問題が起こったときに備え、

 

同時に生産された製品を

 

必ず数個保管しておく決まりもあるくらいです。

 

 

 

私個人の感想ですが、

 

化粧水に限らず、

 

無色透明な製品って

 

作るときとても気を使うんです。

 

 

 

特に化粧水の場合、

 

9割以上水が配合されているので、

 

少しでも油分が混じると濁ってしまったり、

 

原料の溶け残りや

 

何か異物が入っていると

 

全て見えてしまいます。

 

さらに、容器も透明だと最悪・・・。

 

 

このように、私たちが使っている化粧水は

 

非常に手間暇かけて作られているからこそ、

 

安心して使用できるのですね!

 

 

 

メモ今日の一言

 

使うは気軽、

 

作るは大変、

 

手間暇かけて化粧水。