潰瘍性大腸炎とは・・・
 
潰瘍性大腸炎とは、何らかの原因により、大腸の粘膜に炎症が起こり、
びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。
炎症は通常、肛門に近い直腸から始まり、その後、その奥の結腸に向
かって炎症が拡がっていくと考えられています。腸に起こる炎症のために、
下痢や粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、発熱や体重減少な
どの症状があらわれます。病状は、おさまったり
(緩解期)、悪化したり(活動期)を繰り返すことが多く、長期にわたって
この病気とつきあっていくこともあります。
 
発生の原因・・・。
 
潰瘍性大腸炎は、厚生労働省の特定疾患調査研究班により病気
の研究が進められていますが、なぜ病気が起こるのか今だに原因
がはっきりと分かっていません。最近の有力な説として、自己免疫
機序など免疫異常がその原因となっているのではないかと考えら
れています。
人間の身体には、外から異物が侵入した際に、それを排除しようとす
るしくみ(免疫機能)が備わっています。腸管にもこの免疫機能がは
たらいていますが、この免疫機能に異常が生じると自分自身の粘膜
をも異物とみなし、これを攻撃して傷つけようとしてしまいます。その
結果、粘膜に炎症が起こります。異物を排除するために異常にはた
らく免疫機能が活発化すると、白血球が過剰にはたらき、本来ならば
異物を処理するための物質を放出しつづけるため、持続する炎症が起こる
のです。
ただ、この免疫説も決定的ではなく、炎症が起こるしくみとしては有力
な説ですが、なぜ免疫機能の異常が起こるのか潰瘍性大腸炎の発症
のメカニズムは、まだ明確には分かっていません
 
患者数と発症年齢・・・。
 
潰瘍性大腸炎は、原因が不明なため根本治療が確立されていませんが、
最近の治療法の進歩により、多くの方が通常の日常生活を送れるように
なってきました。
以前はとてもめずらしい病気で、患者さんの数もごくわずかでした。しかし
その後患者数は増え、1985年には1万人を超え、1989年には2万人、
1998年には5万7千人を超えています。(厚生労働省調べ)
患者さんの発症率に性別の差はなく、ほぼ1:1の割合です。発症年齢も
あらゆる年代に分布していますが、20代をピークに10代~30代の若年
齢層に多く分布しています。

潰瘍性大腸炎の患者数の推移(日本)
潰瘍性大腸炎の患者数の推移(日本)

潰瘍性大腸炎の推定発症年齢
潰瘍性大腸炎の推定発症年齢
以上のように誰にでも起こりえる病気になってきました。
ここ数年は女性にも多くなってきています。
もし、皆さんの中で、はげしい下痢・血便などの症状が出た場合は
放ったらかしにせず、恥ずかしがらずに内科・胃腸科へ行ってくださいねっ☆
早期発見が重要です!!