マレーシアにいた最後の1年


次女は公文をやめ

セカンダリー向けの数学の塾に通う事に

なりましたニヤニヤ



週に1回1時間 

マンツーマンでみっちり教えてくれる

評判のいい塾


送って行かないといけないので

待ってる間何をしようかな


近くにローカル食堂が一軒あったので

外のテラスでコーヒーを飲みながら

1時間ぼーっとしとくのもいいなと


夕方の風がそよそよと吹いて

最高に気持ちのいい場所だったので

ここで毎週待つ事に決めた



至福の時間になりそうだニヒヒෆ̈



そのお店には

食器を片付けたりテーブルを拭いたりする

インド系のおじさんがいて


そしてそれはそれはもうマメに

テーブルを拭きに来てくれる


何度も何度もやってくる


アイスコーヒーを一口飲むごとに

コップの下の水滴を拭いてくれる


どうもありがとう😊とお礼を言うと


完全にロックオンされ

おじさんはテーブルから離れなくなった



そしてお店のボスの方をチラチラ見ながら

ずっとテーブルを拭いたり

イスの下のゴミを拾いながら



小さい声で



「ここのボスはね お金をくれないんだ


僕はね ここで毎日夕方2時間

テーブルを拭くのと床を掃く仕事を

してるんだけど

ボスはお金をくれないんだ

ひどいでしょ?


何をくれると思う?

ロティチャナイひとつだけだよ


お金をくれないんだよ

信じられないでしょう?


お金をくれないんだよ


食べ物をくれるだけで

お金をくれないんだ


ひどいでしょ?

僕は不当な扱いを受けている


お金をくれないんだよ


でも僕は毎日ここで2時間テーブルを

拭いているんだ 

そして食べ物をもらって帰るんだ


お金をくれないんだよ

ひどいでしょ?」



何周回ればこの話は終わるのだろう


そして労働時間が終わったようで

ボスから呼ばれ

小さな弁当包みを手にして


私にこっそり

「これだよ」と弁当を指差しながら

チッチッチと言いつつ帰って行った



次の週 食堂をのぞいてみると

あのおじさんがいる


さてどうしよう


けれども今日はお客さんも多そうだし

きっと忙しいだろう


そしてコーヒーを注文すると


あのおじさんが私に気付き「あっ🤩」

という顔をした


そしてまたエンドレステーブル拭きが

始まった


まさかまた同じ話はしないよね



そのまさかだったドクロ



「今日もボスはお金をくれないんだよ


僕はもう2時間もテーブルを拭いている

というのに お金をくれないんだ


ロティチャナイだけなんだよ

ひどいでしょ? お金を以下省略



キツめのデジャブドクロ



最初からそういう条件の採用なんじゃ…


という素朴な疑問は封印し

何もかける言葉が見つからないまま


それから二度とその店に行く事はなく

至福の時間はまぼろしと化した


インド系のおじさんは話し出すと長い笑い泣き



やしの木



昨日テレビで


牧場などでお手伝いをしながら

代わりに食事を提供してもらう

旅の新しい形があるというニュースを見て


むむ…この形態には何か見覚えがあるぞ…

何だったっけな…


と思い出したのが

あのおじさんだったのでしたひらめき電球


お金もらえてるといいなお願い



読んでいただきありがとうございます満月