娘達がマレーシアの学校に初登校した日
ドキドキしながら迎えに行くと
次女は早速
韓国人の男の子を従えて出てきた
彼はテハ君
私の顔を見るときちんと立ち止まって
挨拶してくれる礼儀正しい男の子
小さい時からマレーシアにいたらしく
流暢な英語を話していて
朝からずっと次女のお世話係として
いろいろと学校の事を教えてくれたそうで
言葉は通じなくてもちゃんと娘には
伝わっていた
次女のクラスは中華系の子が少なく
韓国人もテハ君一人だけで
日本人の娘とはとても気が合ったようで
それからもずっと
同志でありライバルでもあるような
関係の2人だった
お互い長い休みに帰国した時には
おすすめのお菓子をお土産交換したり
ある日 テハ君から意地悪を言われたと
ブリブリに怒って帰ってきた次女
翌日も臨戦態勢で学校へと向かった
次女の机の上に
テハ君は手紙をそっと置いたらしい
優しい人だな、キミはと
もう彼には今でも良い印象しか無い
時が経ち仲の良かった2人は
成長して少しずつ疎遠になり
あまり話す事も無くなった
6年生にもなればそれも仕方のない事
そして学期終わりに突然テハ君が
韓国に帰る事になったと発表し
誰も知らなかったのでみんな驚いたらしく
次女もとてもびっくりしていた
そんなに話さなくなっていたけれども
やっぱり入学してからずっと
学校の事を親切に教えてくれたり
英語がわかるようになったのも
テハ君が最初の頃いつも教えてくれた
おかげだからと次女は言い
3年間同じクラスで
東南アジアや中東の子達が多かった中で
日本と韓国 文化の似ている
2人だけの仲間意識もお互いずっとあり
最後にお礼の気持ちを伝えたいから
手紙を書いて明日渡そうと思う と
せっせと時間をかけてカードを作っていた
そしてテハ君の学校最後の日
帰りのホームルームが終わってから
手紙を渡そうとテハ君を探すけれども
姿が無い
しばらく待っていたけれども
結局どこに行ったかわからないまま
彼は見つからず 手紙を渡せず
お別れの言葉も言えなかったと
次女はそのままカードを持って帰ってきた
照れ屋でカッコつけのテハ君はきっと
みんなにお別れの言葉をかけられたり
最後の挨拶をするのが
苦手なんじゃないかなと思う
そんな話をしながらも
たくさん助けてもらったから
ちゃんとお礼を言いたかったなー…
と次女はポロポロ泣き出したので
これは何とかしてカードを届けたいなと
思い いろいろと考えを巡らせた
けれども彼のお母さんと
話をした事がなかったため
どこに住んでるかもわからない
クラスのグループチャットにも
いなかったため聞く事ができない
Hey Siri テハママの連絡先教えて
「すみません よくわかりません」
当たり前だ 知ってたら怖い
Siriがダメなら韓国人ネットワークを
頼ろうじゃないか
Hey ママ友ソンミやー
テハママを知ってるかい?
「話した事ないけど
電話番号ならわかる」
さすがの韓国人ネットワーク
レベルが違う✧︎*。
そして電話番号を聞き お母さんに
これこれこうで と事情をwhatsappで
送り 娘のカードを表の絵と中身と
写真に撮って送った
初めての学校の日に話しかけてくれたのを
覚えてるよ
あなたは私の初めての友達だったから
いなくなると聞いて寂しかった
韓国でも頑張ってね
と書いてある
しばらく返事が来なかったので
届かなかったかなーと思っていたら
2日後テハ君からメールが来た
今ロンドンにいてお母さんのケータイが
見れなくて返事が遅くなってごめん
あなたは僕の素晴らしい友達です
このカードとても気に入ってるよ
また必ず会いましょう
そして日本語で
「あなたがいなくなると寂しくなります」
と書いてあった
セレブ疑惑が突如浮上したが
お礼をちゃんとテハ君に伝える事ができて
次女はとてもスッキリして
しっかりと日韓で友情を育んだ
良い思い出になりました
とある有名人の親戚であるテハ君
テレビでその人を見るたびに
元気にしてるかなーと
いつも思い出すのでした
読んでいただきありがとうございます