コロナ以前のお話
娘達の学校のマレーシア人の生徒と家族は
長い休みになると多くの人が
旅行に出かけていた
みんな出発前の空港で飛行機のチケットを
インスタにあげるのが恒例で
行き先はイギリスやオーストラリア
そして日本
お約束のチケットの写真はどれも
ビジネスクラス
日本へ旅行した娘の友達家族のルートは
東京に到着し次に北海道に飛んで
それから福岡 次に京都や大阪を巡り
そして箱根に行き
最後に東京をゆっくり楽しむ
ゴージャスな行程だった
仲良しだった中華系マレーシア人の
ママ友も毎年2回
息子と2人でいろんな国に旅行に行く
一昨年の夏は東京へ2週間旅行に行き
有名な場所をたくさん観光し
浅草のお土産屋さんで見た浴衣が気に入り
全部買いたいけれどもどう思うかと
メールが来た
一着にしておけ
もしくはイオンかしまむらの
浴衣コーナーへ行け
という私の渾身のアドバイスを無視して
ホテルの部屋に土産物店で買った
値段の高い浴衣5枚と下駄を5足
並べた写真を送ってきて
「着方がわからない」
とのたまった
言わんこっちゃない
私はリアクションの正解がわからず
浴衣の着方のYouTubeを無言で送った
そして遠い国から来ている生徒達の
長いスクールホリデーに入る前の話題は
自分の国に帰って一番楽しみな事
次女のフランス人の友達が
「庭で私の馬に乗る事🐴」
と宇宙語を話したため
コンビニにお菓子を買いに行く事が
一番の楽しみの次女は貝となり
そして
我が家でしばらく「私の馬」という
パワーワードが流行った
田舎のインターナショナルスクールでは
あるけれど やはり裕福な家庭が多く
普通のサラリーマン家庭の日本人には
ついていけない話題がたくさんある
学校に通い初めて少し経った頃
娘のクラスの先生が生徒達に
とんでもない質問をしたらしい
「家に車が何台あるか」
そして
「何ヵ国
旅行に行った事があるか」
…
みんな 4台5台そして6台7台と
次々に発言する中
車を持ってない我が家の娘は
無言を貫き通したものの
次の質問で当てられてしまい
5ヵ国以上が当たり前の
他の生徒達からの期待に満ちた視線の中
勇気を振り絞り
「2ヵ国」と答えた
そう 2ヵ国 それは
日本とマレーシア
庶民の娘の
見栄を張った精一杯の返答
この話を聞き悲しくなった我が家は
片道900円のバスでシンガポールへ
1泊の旅行に行き
3ヵ国という事になったのでした
お金持ちワールド恐るべし