食欲の秋ですね
日本で止まらない食欲のまま
食べ続けている今
いつも思い出すラマダンの事
有名なイスラム教の断食月
日が長く暑い国で
日の出から日没まで何も口にしない
娘達が通っていた学校は
イスラム教の生徒も多く
娘が友達から聞いたところによると
断食が始まった初日が一番きつくて
2日目を乗り越えたら後は我慢ができる
ようになるらしい
朝4時半くらいに起きて真っ暗なうちに
朝食タイムになるものの
前日の夜遅くまで結構食べるため
朝は入らず何も食べないで
来る子もいたという
学校での食事の時間は
イスラム教の生徒や先生達は
食堂へは行かず
図書室や教室で過ごす
そしてラマダン中は
マレー系の先生達の機嫌が悪くなり
午後からは友達もみんな
ぐったりしてくるので
娘達も友達の前では
お茶を飲まないようにしたり
食べ物の話をしないようにしたり
それなりに気を遣っていた
私達もイスラム教が国教である国に
お邪魔している身なのでそこは気を付けて
外食をする時など 特に日中は
マレー系の店員さんがいない店で
食べるようにしていた
そんなある日
日曜日にお出かけした帰りの
夕方6時半過ぎ
何か食べようとお店を探していると
どの店も人がたくさんいる
マクドナルドも家族連れで賑わっていて
テーブル席がひとつだけ空いていたため
娘達も食べたいと言うので
ここにしようと
何も考えずに入り注文して席に着いて
さあ食べようとした瞬間
いつもと違う雰囲気に気が付いた
周りはほとんどマレー系の人達
席は満席でみんなテーブルにたくさん
食べ物が並んでいるものの
誰一人食べていない
そうだったラマダンだった
とその場で初めて思い出すくらい
普通に賑わっていたので気付かなかった
みんなニコニコして
楽しそうにおしゃべりをしている
私達も同じように
周りの楽しそうな人達の姿を見ながら
待つ事にした
しばらくして外のスピーカーから
日没のアザーンが聞こえてくると
店内にいた人達が
みんな一斉に声に出してお祈りを始め
店の中が一体となった
そしてお祈りが終わると
あちこちから子供達の歓声が上がり
お父さんやお母さんも
みんなとても嬉しそうに
テーブルの上に並べてあるハンバーガーや
ポテトやチキンを食べ出した
マレーシアで過ごした5年間の中で
一番印象に残った幸せな光景でした
ラマダン期間中に乗った
マレー系のGrabの運転手さんが
日が暮れたらこれを食べるんだと言って
助手席に大事そうに置かれた
ビニール袋に入った
小さなお弁当を見せてくれて
世界にはまだたくさんの
食べる事も満足にできない国の人達がいて
断食をする事で
その人達の苦しみを理解する事ができて
その人達のために祈る事ができる
そしてこうして自分が食べられる事に
感謝ができると話してくれた
私も娘達も改めて断食の意味を知り
毎日ご飯が美味しく食べられるのは
本当にありがたい事だなあと
思ったのでした
何もかもが美味しい秋
食べ過ぎに注意しながら
感謝していただこうと思います
読んでいただきありがとうございます