年が明けると、次のイベントは、まず、もも姉のバースデー。
そして、ケンケンのバースデー、と続く。
いつものように、ケンケン宅にお酒とおつまみを持ち寄り、パーティーは行われた。
ケンケンからのバースデープレゼントは、もこもこしたパジャマ。
とってもあったかそう。
ありがとう。
でも、どうして色が水色
もも姉の好きな色は、ピンクか赤。
ケンケンも知ってるハズなのに。
この頃、もも姉は急に転勤する事になり、仕事はとてもバタバタしていた。
転勤先も決まらず、不安の中にいた。
しかし、パーティーは滞りなく。
そして、程なくケンケンのバースデー。
ところが、この頃、もも姉は急な転勤で、転勤先は決まったものの、新しい仕事も覚えなければならず、心にも、時間にも、全く余裕が無かった。
日々仕事に追われ、買い物も出来ず。
辛うじて、ケンケンへのバースデープレゼントは、ネットで見つけたあったかそうなガウンを送った。
おつまみも少ししか用意出来ず、お店も閉まってるから、開いてた駅の売店で買うのが精一杯だった。
後から冷静になって考えれば、ネットで取り寄せたり、方法はいくらでもあったのだ。
ケンケンはガウンを着て、
「ありがとう。
とってもあったかいよ」。
と言った。
しかし、おつまみも、お酒も、すぐに底をつき…。
次の日、ケンケンは、お昼にピザを取ってくれた。
人というものは、時として取り返しのつかない事をしてしまうものだ。
この日の事は、悔やんでも悔やみきれない。
しかし、してしまった以上、もうどうする事も出来ないのだ。
その日は普通に別れたが、ケンケンからLINEが届く。
「ももは、僕の誕生日も、お酒やご馳走は自分で用意するべきと考えていた
それに、自分で食べ散らかした分は、自分で片付けてもバチは当たらないと思います。
お花見の事もあるので、敢えて苦言を呈します」。
そして、ケンケンは、病んでしまった。