今年も桜が咲いた。
暖冬のため、例年より2週間早く。
毎年それが、当たり前の事だと思っていた…。
ロープが張られ、シート禁止状態の上野公園。
各地の桜祭りは根こそぎ中止。
もも姉の近所の桜祭りも中止だし、大岡川も、目黒川も…。
ケンケンの近所の桜は、今年はライトアップしてないだろうな。
じゃ、昼間、ちょこっとだけなら良くね
ケンケン宅に向かう前日、足踏み状態の横浜に反して、何故か埼玉の桜が満開になった。
最初で最後の今年のお花見チャンス
自然が味方してくれたんだね。
千葉のお土産もあるし、お花見用のシートもあるし、全部詰めたスーツケースを持って、前日夜ケンケン宅に到着。
「今日はピザだよ」
やった〜
ケンケンは、宅配ピザを取ってくれていた。
美味しいね〜。
ビール飲みながら、ほとんど1人で食べてしまった。
翌朝。
以前は遅起きだったケンケン、最近は早く起きている。
韓流ドラマを観るためなのだ。
1度観出しちゃうと、止まらないのよねぇ。
コモさんが未だにハマってますからね〜。
気持ちは良く分かる。
朝は、いつものように、持ってきた食パンと、野菜ジュースや、紅茶やお茶。
しばらくすると、やっぱり眠くなっちゃうケンケン。
「少し寝てくるね。
起きないようだったら、起こしてね」。
寝れる時はなるべく寝て欲しいため、あんまり起こしたくはないのだが、今日ばかりは別。
お花見出来なくなっちゃうから、適当な時間に起こしに行かないと。
溜まった洗い物はそのままでいいって言われてるけど、そうはいかない。
せめて自分の食べたのぐらいは、洗っておかないとね。
手強そうなフライパンとかはそのままに、ピザのお皿と、ビールのグラスだけ洗っておいた。
そろそろ起こしに行かないとかな
2階に上がると…。
「ちょうど起きたよ」。
それは良かった。
では、出かけましょうか。
って、ケンケン、裸足寒くね
「そうだね。ヘンだね。
靴下履いて来る」
そうしましょう。
公園へ向かうと、本当に満開の桜。
良かったね。
そして、おつまみと、ビールと、今日の為に用意した桜チューハイ。
気分はサイコー
でも、どうしても来たかったの。
ごめんなさい。
来年は、心置き無くお花見が出来る世の中に戻りますように。
「そうだね。
僕ね、小説家になろうかな、とも思うんだよね。
結婚しても、2人のお金合わせれば何とかなるかな、と」。
そうだね〜、って、またそういう事サラっと言う
まぁそうなんだけどさ。
一旦家に帰る。
玄関でケンケン、
「良かったら合鍵持っといてくれる」
うんありがとう。
「良かった。
重いとか思われちゃうとさ」。
とんでもない
ほぼ1日連絡付かない時とか、心配でしょうがないんだから。
これでいつでも駆け付けられる。
「それと、もう1つ…」。
ごめんトイレ行きたい
めっちゃトイレ行きたくて、言葉を遮ってしまった。
大事な話だったのかも、なのに。
まぁ、そんなに焦らなくても…ね。
その後は2人で、出来たばかりの品川ゲートウェイ駅へと向かった。
期間限定で、カフェバーで、「品川ギョーザウェイ」というイベントをやっていたからなのだ。
ケンケンも、有名な建築家の作品である駅舎に興味あると言うので。
これが折り鶴をイメージした駅舎か…。
向かったカフェバー、17時頃からかな〜と思っていたら、まさかの19時オープン
仕方なく近くの中華料理屋さんに入ったら、まさかまさかの餃子無し。
そして、時間に合わせてカフェバーに行くと、その日は貸し切りで立ち飲みのイベントだという。
そこは積極的なケンケン、
「僕たち餃子マニアで、色んな餃子食べ歩いてるんですけど、ダメですか
餃子だけでもいいんですけど…」
と詰め寄ったのだが、餃子はまだ出来てないというので、期間も延長するっていうし、仕方なく諦める。
「じゃ、大井町にでも行こうか」
行く行く
タクシーで品川まで行き、大井町へと。
いつもお友達と行ってる中華料理屋さんへ。
やっと餃子が食べられる〜。
「大井町と言えばさ。
ホルモン焼き屋さんに来た事あるよね
覚えてる」
もちろんです
「あの時ももちゃんさ、スマホ忘れて、お店の人が慌てて届けてくれたんだよね。
覚えてる」
そうなの
記憶に無い…。
記録にはあるけど…。
しかし、よくもまぁ、最初のデートで泥酔した女を、2回目もんじゃ焼き屋さんに誘うもんだねぇ。
普通はそのままフェイドアウトだよね〜。
スゴいぞケンケン
何か思うところがあったんでしょうなぁ。
それが今に繋がってるんだもんね。
やはり運命とは、自分で掴み取るもの、ですね。