おはよう師匠。ふんわりウイング
人間、感謝の心を忘れたらおしまいだよね。お願い

このもも姉、仕事運があるのはご存知の通り。得意げ
しかしながら、人数が足りないというだけの理由で、マネージャー業務をやらされるようになってから、おかしくなった。えっ
元来、仕事は出来ない方だけど、中でも本来得意なハズの分野が、全然機能しない。えーん
自分でも全く理由がわからない。ショボーン
集中力を欠いているのか…。
記憶力が衰えているのか…。
その辺を鍛える本を読んでみたりもしたのだが…。

仕事も遅くて自分だけで精一杯なのに、他のスタッフに指示を出し、自分の仕事もしなきゃならない。しょぼん
毎日がいっぱいいっぱいだった。ぐすん

その日、床が汚れているのは知っていた。
でも、他の仕事をこなすのが精一杯で、とてもそこまで手が回らなかった。

朝、掃除担当者が来るや否や、店中に響き渡る大声で、もも姉を罵倒した。

「夜の人がやってくれればいいじゃんねビックリマーク
他の人はちゃんとやってくれてるわよ!!
掃除は夜の人の仕事だってその人が言ってたわよ!!
私より時給高いんだからビックリマーク
夜の人がやってくれないと!!

お客様の居る前で。
全く意味がわからない。
もも姉だって、一晩中遊んでいたわけじゃない。
他に優先させなきゃならない仕事があって、掃除まで手が回らなかっただけなんだ。
床が水で濡れてれば、もちろんモップをかける。
それは、お客様に危険が及ぶから。
でも、汚れてるだけなら、危険度は低い。
第一、朝になったら掃除担当者が来るんだし。

その日以来、掃除担当者は、もも姉を無視するようになった。

そんな事はどうでも良かった。
1番悪いのは、力も無いような人間に、マネージャー業務をやらせてる会社なんだ。
だけど、その日を境に、他の業務がどうにもこうにも上手く行かない。
これはもう、「転職しなさい」っていう天からのお告げなんだな、そう思った。

そんな中、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言まで発令される。

もも姉が働いているのは、食品スーパー。
時短営業を余儀なくされる。
皮肉なもので、夜勤の仕事は、業務内容が少なくなり、床掃除の時間も出来た。

スタッフの1人は言った。
「お掃除の人、最初はお話好きなおばあちゃんだと思ってたんだけど、全然違って…。
何だか会うのが憂鬱になっちゃって…。
この間、人事担当者に会ったんで、ももさんがお掃除の人に酷い事言われてるって言っときました」。
ま、人事に話が行ってるんだったら、それでいいや。グッド!にひひ

彼女に言った。
気の毒な人だなぁ、って思えばいいの。

掃除担当者は、早くに旦那さんを亡くして、女手1つで、2人の子供を育てたみたいだ。
苦労もしたのだろう。
だけど、口を開けば愚痴ばかり。
どうして感謝が出来ないのだろうはてなマーク
その年で、コロナにもかかってなくて、仕事もある。
幸いにも勤めてるのが食品スーパーだったから、失業せずに済んだのだと、どうして思えないのだろうはてなマーク
今、閉店せざるを得ない店がどれだけあって、職を失った人がどれだけいるのか…。

もも姉、今、自分の仕事運に感謝しかない。お願い

もも姉のいるスーパーは、駅から離れてるから、近所の人しか来ない。
でも、夜仕事帰りとか、朝仕事に行く前とか、毎日通ってくれてるお客様が必ずいる。
時短営業になってしまったため、早朝と深夜の営業が出来なくなってしまい、そういうお客様には、本当に申し訳ないな、と思っていた。

ある朝、いつものようにお惣菜を並べていると、閉まっている自動ドアの向こうに、人の気配がした。
ふと目をやると、毎朝通勤前に飲み物を買ってくれてるお客様が、手を振っていた。
ジェスチャーで、閉まっててすみません、と、手を合わせた。お願い
すると、お客様、手で力こぶを作って、頑張ってねビックリマーク
っていうジェスチャーをした。筋肉ほっこり

涙が出た。
この先、どうなるか誰にもわからない。
また早朝営業が出来るようになるのか、あるいはそのまま時短になって、もう夜勤の人は要らないよってなるのか…。
いずれにせよ、もも姉は、この店の行く末を見届ける事にした。
また早朝と深夜営業が出来るようになって、お客様に、また宜しくお願いします、って言えるその日まで…。

じゃね、師匠。
また手紙書くね。バイバイ