それは、暮れも押し迫ったある日。
ひとしクンから、
「明日、大口どう❓」
もちろん、オッケー
いつもこんなカンジで、普段は夜勤明けの朝だけど、休みが重なった日には、夜しか開いてないお店に飲みに。
時は忘年会シーズン真っ盛り。
さすがに聖地養老の滝は貸切で取れなかったらしいんだけど、奇跡的にもつ煮で有名なきしやが予約取れた、と。
前回と同じカウンターの端っこに着席。
カンパーイ
今年もお世話になりました。
ひとしクン、この頃、仕事大変だったね。
昼も夜も働いてたんだもの。
年末年始は休めるんだよね
今年の始めは、磯丸で朝飲みしたよね〜。
明日が読めない我々、働けるうちに働いておかないとね。
ひとしクンは派遣だから、来月の契約もどうなるかわからないし。
こうやってお酒が飲めるってのは、ありがたいコトだ。
もも姉も毎年仕事変わってるけど、何とか働けている。
前回と違うのを中心に、飲んだり食べたり。
これがあるから、頑張って働ける。
ひとしクンが口を開く。
「食事をご馳走になるってのは、甘えてる事なの」
そりゃそうでしょうよ。
「相変わらずねこちゃんは返事が遅いんだけど、年末もいくつか候補挙げて、前行った事ある店と、気になってた寿司屋と。そしたら全然返事来なくて、イタリアンどうって聞いたら、ソッコー返事来て」
ピザが食べたかったのか…。
「お寿司は年明けがいいかなぁ、って」。
良かったじゃん。
来年の予約まで取れて。
「それでね。
この間の人の事もあり、私はひとしさんにも甘えてるんだな、と気付きました。
今回は余りお話出来なかったので、今度改めてお話したいと思いますって」。
ありゃりゃりゃ…。
「俺、引導渡されちゃうのかな…。
そうなったらどうしようももさん…。
せめて、せめて一言好きだったと…」。
だからそれはもういいって。
とっくにバレてるんだから。
ねこちゃんの気持ちはわかるよ。
アッシー君に、急にキレられちゃったんだからな。
ひとしクンにも、ある日突然そうなられたら怖いもん。
ひとしクン、すぐに顔に出るのバレバレだし。
そもそも、強面なんだし。
だからさぁ、結局ひとしクン次第よ。
アッシー君みたいにならない自信があるなら、続けりゃいいし。
「何で俺まで…。
爆発男のせいでこんな目に…」。
ホントだよなぁ。
「でもね、どうしても顔見ちゃうとさぁ」。
はいはい。
ガッキーですからね。
「何でこうなっちゃったのかなぁ。
我ながら情けない」。
いつもそう言いながら、嬉しそうである。
きっとこの関係は、来年も、ねこちゃんがその「好きな人」と上手く行くまで続くんでしょうなぁ…。
なんだかなぁ。
どうなる事やら、だけど、来年もよろしくね。
そろそろおあいそ、ですかね。
「じゃ、ここは俺が」
マジでぇ
出世したね〜。