初恋の話

私の初恋は中学1年生の時だ


なんとなく入ったバスケ部で

運動が苦手だったバスケのイロハも知らない
ちょいデブの私は

物の見事にヤンキーの先輩たちの

いじめのターゲットにされた

ボールをぶつけられる 

無視される

笑われる
 
いつも愛想笑いばかりしていた私を思い出す

逆らわなければ、言い返さなければ嫌な時間は一瞬そこだけ我慢すれば終わるからだ

それでも私がバスケ部をやめなかった理由はたった1つある
2つ上の先輩に恋をしていたからだ

私は毎朝朝が苦手で

遅刻ギリギリに学校へ走っていく

私の中学には門が2カ所あった

片方の方から入ればすぐに下駄箱、
教室に行けるのだが

私は毎日遠い入り口から下駄箱を利用していた

そこで2階の、

3年生の教室を見上げると

先輩はいつもそこで

教科書を読んでいた

私に気づくと


先輩は手を振ってくれる

いつから始まったのかわからない

ただ気がつくとその幸せが始まっていた

その数秒が本当に幸せで

本当に大好きで

嫌な学校生活をバラ色に変えていた

ただこの初恋はもちろん実ことがなかった


先輩の引退試合を今でも覚えている

3年生は夏には引退してしまうので 

実際一緒に部活動できたのは3ヶ月

先輩の引退試合は完全燃焼することなく終わってしまった

5ファール

試合の途中で退場してしまった

その時の先輩の落胆した顔

涙の顔が今でも忘れられない


私と先輩は小学校の時の幼なじみであったことを後から知った

家で母親にすごくかっこいい先輩がいると毎日毎日喋っていたら、

あれあなた玉木くんのこと覚えてないのと言われた

私は全然先輩のことを覚えていなかった

ただ近所の公園で

いつもボロボロのバスケットゴールに向かって

バスケットをしていた年上の男の子がいたことをやんわり覚えていた位だった

引っ越して中学校で再会するまで約4年

先輩のことが今でも大好きです

あの時私に手を振ってくれたあなたが

私の初恋でしたと今でも胸がキュンとなる