こんばんは
彩ふ読書会の、“読書会”ラブラブラブラブ久しぶりに行ってきましたビックリマークビックリマーク

実は読書会自体に参加するのは11月の1周年イベント以来。
課題本形式に参加するのは更に久しぶりで、9月2日のビギナー向けに開催された、「星の王子さま」以来でしたニコニコ

いやもう、楽しすぎました…ラブラブ!ラブラブ!ラブラブ!



昨年、彩ふ読書会主催・のののさんにある相談をされました。

「坂木司さんで、課題本の読書会をしたいと思っているんです」。


一瞬耳を疑いました。
坂木司さんで課題本はてなマークはてなマークはてなマークびっくり

確かに私、坂木司さんの作品は激推ししました。
推し本披露会で、1人坂木☆司祭りを開催するほどに。
2018年3月18日開催、推し本形式読書会
https://ameblo.jp/momomotokazu/entry-12361289392.html

相談を受けたとき、のののさんは坂木司作品は未読。
確かに坂木司さんは、「和菓子のアン」が大ヒットし、人気作家さんです。

坂木司さんの作品は、確かに良作揃いです。
でも、「課題本」としては弱いんじゃないかと思いました。

課題本は、「人生を語る会」と、私は位置付けています。
同じ本を読んでも受ける印象が違って、何通りもの解釈ができる。
そこにその人それぞれの価値観が載せられることで、哲学会のようになるのが、課題本読書会の良さだと思っています。

坂木司さんでひとを集めようと思ったら、「和菓子のアン」を課題本にするのがいいと思います。

でも、「和菓子のアン」を課題本にすると、「ファンの集まり会」になって、坂木司さんを讃美してキラキラした感じで終わる会になるような気がしました。

しかし、坂木司さんファンを自認する私としては、やってみたいイベントではあります。
そこで一計。

「坂木司さんで課題本にするなら、『切れない糸』がいいと思います」


のののさんに、『和菓子のアン』、『切れない糸』、『ホテルジューシー』をお貸しし、この順番で読んでください、と一言添えました。

見事『切れない糸』が課題本に選ばれ、読書会がある開催されるのを楽しみにしていましたニコニコ音譜音譜 



そんな裏話がありながら迎えた今日。
時間を読むのが下手くそで、方向オンチの私。
五分ほど遅れて到着しましたガーン

謝りながら着座すると、狙いすましたかのように最後の方が自己紹介を終えるタイミングで、流れで自己紹介をさせていただきました。
遅刻、改めてすみませんあせるあせる


まずは6〜7人ずつ3グループに分かれて各テーブルで課題本について感じたことを話し合います。

私のテーブルはBテーブルで男性3名、女性4名の7人構成でした。

進行役は、ヅカ部&謎解き部部長の女性で、それをサポートする京都サポーターの女性、初参加の方がお一人ずつ、1月6日の大阪読書会に続き2回目の参加となる男性、読書会には何回か参加されているミステリー小説を多く読まれている男性でした。


星進行役の女性から発言があり、読み直して好きなところに付箋を貼っていくと付箋だらけになったというお話がありました。

この方は生粋の坂木司さんのファンで、「作品の温かさ」を印象に挙げられ、「探偵役が謎を解いた“その先”まで考えているのが良い」と言われました。


星推理小説好きの男性は、「謎を解いた後の登場人物までが描かれ、小説としての完成度が高い」とファンとしては嬉しいお言葉と、「“商店街”で主人公が育っているという設定が、少し前の日本ならあった繋がりを描いている。こうした繋がりを描くことは題材として書きやすいけど書くのは難しい。この作品は成功している」という意味のことを話されました。


星サポート役の女性は、いつも少し違う視点から発言されて私が注目している方なのですが、坂木司さんの作品は馴染めなかった様子。

実は、私は同テーブルにこの方がおられている時から期待していました。
それこそが、私があえて「切れない糸」を課題本に推した理由だったからです。

普段小説などはあまり読まれないとのことで、彩ふ読書会ではビジネス部に所属されています。
ビジネス部では、自己啓発本を紹介しあったり、月一自己啓発系の本で課題本を決め、読んだ感想を共有したりしていますニコニコ
「(書きたい)目的があって伏線がひかれている。(“物語”というもの全般に対して)“窮屈さ”を感じる」という言葉と、「コーヒーが美味しそう」という感想でした。
私は内心ニマニマしてましたが、その理由は後から書きます。


星初参加の男性は「シゲさんが良い味を出している。『切れない糸』は5年くらい前に買って一度読んで、“ああ、坂木司だな”と思った」と話されました。
この方の発言も、私的にはニマニマポイントでしたウシシ


星初参加の女性のお言葉も印象的でした。
「ミステリー目的で読むと当てが外れるかもしれない」

「この作品の刊行は2005年で今から15年前。その間に時代は変わっていて、SNSの発展が見られる。この作品の描く世界観は“今と違う”という印象を受けた」

「今はSNSで自分のプライベートは公開するのに、プライバシーの保護には厳しい。この作品の舞台がクリーニング屋さんで、それぞれのお客さんの秘密を解決して、最初はかかわることをうとましがっていたのが最後には受け入れていくのが印象的だった」



私が合間に発言したのは、坂木司さんの間口の広さでした。
坂木司さんの作品の多くは、優しさや温かさに溢れています。
それが読みやすさに繋がっていると思います。

でも、実はブラック作品も書かれています。
ブラック風味の強い短編集二作。

『和菓子のアン』は本当にキラキラした物語ですが、デビュー作の『ひきこもり探偵シリーズ』は、坂木司さんの今に至るテイストはありながら暗さがありました。


あと、キラキラ度は低い青春小説も書かれています。



私の仮説として、『真梨幸子さん、湊かなえさんといったイヤミス好きは、坂木司さんが苦手』というものでした。
下矢印
これはBテーブルでも、全体発表のあとに坂木司さんはあんまり…と言っておられた方に聞いても正解🙆‍♀️だったので、確信に変わりましたウシシウシシウシシ

「坂木司さんに苦手意識を持っているだろうひとの感想を聞き、実はブラック面もあるんだよとお伝えしたい」という目論見が達成され、満足しました


再度他の方のお話に戻ります。

星ミステリー好きの男性からは、ミステリー好きならではの印象が続けてお聞きでき、自分にはない発想だったので楽しかったです。
「手袋の謎が書きたかったからクリーニング店を舞台にしたかったのではないか」というお言葉です。

私をはじめ多くのひとは、クリーニング店がひとと繋がり、秘密を預かる場だからクリーニング店を舞台にしたいというのがスタートだと思っていました。
正解はわかりせんが、ミステリー好きならではの発想だな、と思い、興味深かったですキラキラ


私もミステリー好きで「日常の謎」ものが好きなのですが、坂木司さんの作品は登場人物一人一人の人間的な描写の印象が強い分、ミステリー小説としての印象は薄まるなと思っていました。

北村薫さんや若竹七海さん、近藤史恵さんと比べるとライトな印象ではないかな?と感じます。


星2回目の参加の男性もミステリーをそこそこ読まれるということでしたが、私と同じように「ミステリーであることを忘れる」と言われていました。
「解決編に文量を割いていて、人物を描くことに重点が置かれている。まるでひとの話を聞いている感覚になる。作品のなかの言葉を聞いて、明日から楽になれると感じた部分があった」

「謎解きをしていくなかで、更に謎が増えたり、ついでに他の謎が解けるのは、リアルでもあることだと思うから、“リアル感”があった」


「切れない糸」は、坂木司さんの作品のなかではミステリー要素が強いかな、と思って挙げたのもあり、ミステリー好きの方々の感想をお聞きしたかったので興味深かったですニコニコ

『千里眼シリーズ』、『Qシリーズ』の松岡圭祐さんや、『探偵が早すぎる』の井上真偽さんなど、ミステリー作家さんのお話にも発展しました。



あとは、好きなシーンや好きな登場人物の話になったのですが、私がわかるわかるビックリマークビックリマークとなったご意見です。
ダウンダウンダウン
星「この作品に限らず、『このキャラ、アイツに似てる』って思うことがある。前はあの“作品”のアイツに似てる、と思うことが多かったけど、最近は“実生活”で関わってきたひとと似てる!と思うことが増えた」

この発言をされた方と私は同世代だったのですが、この年代になり、色々経験してきたからでしょうか。

物語に前のように素直に入り込み、物語自体を楽しむというよりは自分の経験を重ねて読むことが増えました。

坂木司さんの作品を物足りなく思ったり、綺麗事に思う気持ちもわかります。
『人生そんなに甘くないよ』と言いたくなる作品ではあります。

でも、実生活でビターな気持ちを味わうことがある分、物語くらいは幸せに読みたいやんちゅーと思ったりするのですほっこり

私はイヤミスも結構読むのですが、イヤミスは落ち込んでる時に読むと更に落ち込むので…、イヤミスを楽しめる人は、心が健康なひとかなキラキラと思ったりします爆笑


女性参加者からあがった意見で強かったのが、マウンティング女子が出てくる話です。

星「解決というには“ぬるい”結末」「こんなにスッキリするかな?」という意見が出ました。

またしても私感であり、課題本形式読書会の醍醐味だな、と思うのですが、【どの人物に共感し、どの人物を嫌うかは、そのひとを物語る】のではないかと思います。

私の実経験からの私感では、
共感する人物=【自分がそうなりたいと憧れる自分】
嫌いな人物=【自分自身のなかにある、否定し、目を背けたい部分】
…ではないかな、と。
これは実生活においても。

「心が動く」というのは、何か意味があるんじゃないかな、と思っていますウインク



話が盛り上がるなか、各テーブルでの時間は終了。
全体発表に向けての時間になります。

12月から課題本形式読書会もテーブルを分けて行われるようになり、他のテーブルで何を話したが共有できるように全体発表の時間をとるようになりました。

その前に発表内容をまとめるため、用紙に記載します。
私が書いたものです。
「切れない糸」については、以前に記事にしています。


…最後まで書けると思ったら字数制限…!!
後編に続きます!