{E8E929A6-EB80-4777-845F-B752E700C852}

無印良女(群ようこ 著)

群ようこさんのエッセイは、たまに読み返したくなります。
冷静な分析がはいりながら、温かみがあって、「ゆるい」感じが好きで、気分転換をしたいときに手にとります。室井滋さんのエッセイも好きです

群ようこさんは、様々なアルバイトをした後、椎名誠氏らを輩出した〈本の雑誌社〉で働き、その後「午前零時の玄米パン」でデビューされ、作家となられました。
「無印良女」のあとがきで、群ようこさんについて〈本の雑誌社〉で一緒に働いていた沢田康彦氏が書かれていた群ようこさん像を読むと、群ようこさんのひととなりがよくわかり、群ようこさんの書かれるエッセイや小説の魅力のルーツがわかる気がしました。

「無印良女」では、個性豊かな人々と、それに対する群ようこさんの対応や感じたことが書かれています。
学生時代の個性的な友人。
(他校の制服を自分でけっしてお洒落ではない方向にアレンジしたものを着てくる友人や、清楚な才女だったのが、選んだ男性によって苦労する人生となった友人など)

アルバイト先での図々しいとも言える個性的な人々。

自由人の父親。

そして何より、強烈な個性を発揮する母、ハルエさん。(娘の本が出たと言って親戚に連絡しまくるも、全然別の作家さんを群ようこさんだと言い張る。本が出版されたら、印税がたくさん入ると思って、不動産屋にマンション購入の話を勝手にしに行くなど、なかなか突飛な行動をとられます)

多分、身の回りにいたら、「うわ〜」となりそうな人々が、群ようこさんの視点を通して見ると、憎めない、愛らしい人々に見えてきます。

だから、人々の突飛な行動に眉をひそめることなく、楽しく、含み笑いがでるようなエッセイ集になっています。

冷静な分析をしながらも、こういう風に人物を描けるのは、群ようこさんが人情味あふれる方だからかな、と思います

群ようこさんは、20代から読んでいる作家さんですが、今回改めて読み直して、また群ようこさんの作品を少しずつ読んでいきたいなと思いました


周りのひとにイラっとしてしまう方、ちょっと笑いが欲しいなと思っている方、軽く本を読みたい方にオススメな一冊です