銃後県民の歌 (戦中の福島県民歌)古関裕而作曲 | ふくしまの戦争資料室

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福島県関係の戦争資料を公開しています。特攻隊研究も10年を迎えてしまいました。連絡先hukushima.sensousiryou@gmail.com インターネット上で公開し、人の目に触れる事には意義があると信じて頑張りたいと思います。何かあればお気軽にご連絡いただけましたら幸いです。

福島民報社が募集した銃後県民の歌
楽譜とレコードです。

銃後県民の歌
 福島民報懸賞当選歌
汽車の窓から手を振って
後はよろしく頼むぞと
笑って発ったつはものの
その一言が今もなほ
留守を預かる胸を打つ

朝霧晴れた野に山に
銃(つつ)とる意気のひと鍬を
うてば応へる山並みの
仰ぐ鎮守の森かげに
武運を祈る日の御旗

工場(こうば)の汽笛聞きながら
昼の休みのひと時に
綴る感謝の慰問文
拙いけれど真心を
込めて封じた筆の跡

轟く響く黒潮で
鍛へた腕の力をば
今こそ試せ血は燃へて
結ぶ鉢巻き逞しく
護る銃後の長期戦

北日本(きたにっぽん)の空澄みて
百六十万福島の
県民一致殉国の
期待に懸けし総襷(そうだすき)
大東洋の夜は明ける



裏面は郷土部隊進軍歌です。
収録の経緯については明らかではありませんが、福島の郷土部隊を意識したものであれば嬉しいです。

郷土部隊進軍歌

  福島民報社推薦作品

兄や妹や父母の
歓呼の声に奮い立ち
さらば征くぞと故郷を
遠く離れて幾百里

来る日来る日の戦いに
刃こぼれしたる剣の先
赤い夕陽にきらきらと
進む無敵の我が部隊

高梁噛みしめ丘越えりゃ
行く手に白い綿の花
敵の弾音聞きながら
暫し憩いの仮枕

見たか誉れの日の丸を
朗らに仰ぐ徐州城
忘らりょうか真っ先に
あの日開いた突撃路

これで本望と戦友が
抱かれしままで笑い顔
傷を堪えて言うことに
一目見たいよ故郷の空

泥にまみれた軍服(ふく)を脱ぎゃ
坊やの写真が手に触る
明日も一緒に父さんと
銃を担いで進軍歌


初披露?となる発表会のビラ
楽譜に挟まっていました。

学校を出てから13年、他県でしか勤務していない関係で、資料収集に困難を来しておりますが、細々と頑張っていますのでよろしくお願いいたします。