つい先ほど見終わりました。

興奮冷めやらぬうちに、心の赴くままに感想を書きたい。

 

結論:めちゃくちゃ良かったビックリマークビックリマークビックリマーク

 

 

朗読劇「僕とあいつの関ヶ原」




 

※軽やかにネタバレしています。

これからご視聴になるかたは、ご覧になりませんようにパー

 

 

原作は吉田恵里香さんの同名小説。脚本も作者さんが手がけているようです。

演出は中屋敷法仁さん。私には鉄板の演出家ドキドキドキドキドキドキ

4年前にも一度上演されていて、その時にもとても評判が良かったそうなのですが、その当時というのは私が最も演劇から離れていた頃なので、全然知りませんでした。

もったいないことしたなぁ…ショボーン

 

石田三成を中心に据えて、関ヶ原合戦の模様を描いた作品で、まぁ史実の彼らはもうそこそこいい歳になっていたんですが、この作品ではまだ若く、青臭さを残したキャラクターで描かれています。

面白いのは、石田三成と、その宿敵である徳川家康を同じ俳優が演じていること。

演じるのは我らが染谷俊之さん。

このブログでも何度も話題にさせていただいていますが、彼は本当に凄い。

真逆のこの二人を自分の声や体を用いて、染谷さんは全く違う人物に「見せる」ことが出来るんですよねキョロキョロ

本当に、見えてくるんです。全然違う背格好の、違う性格の二人の人物が…俳優は一人しかいないのに。

これがすごく不思議な感覚で、声色をどんなに巧みに使い分けても、そういう現象は起こらないんじゃないかなぁって、私は思っています。

よく「演じ分け」という言葉を使いがちですが…なんかその言葉、私はあまり使いたくなくて…なんか、声色を使い分けることで「わざとらしく」変えている…というニュアンスに聞こえてしまって…。

意識的に「作る」ことをしているのは確かだと思うんだけど、なんかこう…体の芯から「変化」してしまっているような、そんな風に見えて、すごいなぁって思うんです、染谷さんを見ていると。

 

そんなそめ様演じる石田三成。

私の中ではあんまり好きじゃない武将10本指に入る人物なので、どうだかなぁと思っていましたが、これがどっこい。

 

 

かっこいいじゃないのビックリマークこの頑固者めえーんえーんえーん

 

 

まっすぐで頑固な忠義者。

賢く、政治的な計算なんていくらでもできただろうに、それをすることなくただひたすら太閤殿下への忠誠心と友人への愛情に生きて死んだ英雄…。

私の中の石田三成像は、コペルニクス的に転回しました真顔真顔真顔

もう、まだはじまって10分くらいの時点で、島左近(演じたのは荒田至法さん)とのやり取りに号泣しえーん

更に黒羽麻璃央さん演じる(思っていたよりゴツい感じだった)大谷吉継とのやり取りにまた泣き…えーんえーん

っていうか、あのそめ様三成の「…なぁ、友よ。」って呼びかけ、もうアレだけで三日三晩は泣けますよ私は。あの万感こもった「友よ」は千金に値する。

終盤の島左近をなんとか救おうとする三成、最後まで諦めずに作を立て続けた三成、囚人となって小早川秀秋(演じたのは松田凌さん)と対峙した三成…そのどれも、誇り高く素晴らしい武将の顔をしていた。

誰だ、三成のことを嫌なヤツだと思っていたのは…ビックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマーク

 

いやぁ、とにかくすごく素敵でしたよ…そめ様三成。

で、その分ダークサイドが際立つというか、がじゅり、がじゅりと爪を噛む「老いぼれたぬき」徳川家康の醜く狡猾なこと…。

今回も安定して本当に嫌なヤツだったけれど、そういえば家康って三成以上にいい人に描かれること少ないかも…?

いずれにしても、あそこまで醜悪に演じられるって言うのも凄い。

本当に、演出の中屋敷さんもアフタートークで「そめ様ファン」だと仰っていましたが、いやぁ、これは惚れるよ。惚れる。うん。

 

黒羽さん演じる大谷吉継も、すごく好きでした。

私の中ではどうも真田丸で観ていた吉継像が印象的で、はじめは「え!?大谷吉継ごっつくない????」って思ったんですが、考えてみれば武将なんて皆ゴツいよな真顔

ドスの利いた声で堂々と話ながら、自分の病のことや、それに伴う外見の変化にコンプレックスを抱えているらしい吉継を、黒羽さんがとても繊細に演じていました。

でも、私的一番の推しどころは、なんといっても小早川秀秋に対する「呪い」のシーン。

ごろりと落ちた首が秀秋を睨みつけて大音声で呪詛を吐く…そんな場面がふと浮かんでしまうくらい、素晴らしい迫力と臨場感でした。

あー、あのシーンもう一度観たい〜ビックリマークビックリマークビックリマーク

 

そんな黒羽さんが演じるもう一つ大きな役が、美しき赤鬼、井伊直政です。

たおやかで優しげな様子で、修羅の「蚊帳のうち」を生きている男。

娘婿であり家康の縁者である松平忠吉(演じるのは尾関陸さん)を傀儡とし、自分はその影となって実権を握ろうと画策している…はじめはそんな野望を抱いているのですが…。

直政の抱える深い闇と、自分でも制御できなかった愛情とを、黒羽さんが実に繊細に表現していて、これもまた、一つ見どころだったなぁと思います。

 

染谷さんと黒羽さんは、このあと19時からライブ配信される「俺とおまえの夏の陣」にも出演されるので、楽しみですね…!

 

 

さ、本当はもっと感想語りたいのですが、というか全員本当に良かったし、桑山哲也さんによるアコーディオンの演奏も作品にぴったりで仰天したしで、書きたいことはまだまだ山のようにあるのですが、このあと17時からまっきーの「ひとりしばい」の配信があるので、とりあえずここで一度離脱します!

 

 

 

19時からの作品も、本作品のアーカイブ配信も、まだチケット買えるみたいですので、興味がある方は是非とも観てくださいビックリマーク

 

演出の中屋敷さん、演者の皆様、素晴らしい作品を届けてくださって、ありがとうございましたビックリマークビックリマーク

 

 

さ、じゃあ、次にいってきます爆  笑