皆様こんにちは!
お天気がすっきりしませんが、いかがお過ごしでしょうかニコニコ
こういうときにはお茶でも飲みながらじっくり読書なぞするのも良いですよね。
 
というわけで、今日は本の話題本
 
実は先日Facebookで、「ブックカバーチャレンジ」なるバトンを回していただきまして爆笑
説明なしで本の写真だけを載せるというルールに則って、本当に一言も説明をつけずに、7日間に渡ってお気に入りの本を紹介しました爆  笑
というわけで、ここではその時に語りえなかった、それぞれの本の説明やそれにまつわる思い出なんぞを、つらつら綴っていこうと思います。
 
 
 
一冊目
「原色 朝顔検索図鑑」
 
 
学生時代、変わり朝顔にハマったことがあります。江戸時代の園芸家が主役の小説を読んだのがきっかけなのですが。
変わり朝顔って、ご存知でしょうか?
普通の朝顔とは違う形の花弁や葉を持った朝顔のことで、花弁が細かく裂けたようになっているものや、燭台のように折れ曲がったものなど、色々な「変わった形の朝顔」が品種改良によって生み出されて来ました。これが、変わり朝顔です。
 
江戸時代当時の「変わり朝顔熱」というのは相当のものだったそうで、ひと鉢で100万もする朝顔があったとかいう話もびっくり
掛け合わせによる品種改良には、大変な手間と時間がかかります。そんなものがブームになったのは、その時代がめちゃくちゃ平和だったからと言えるでしょう。
考えてみれば、今私たちが「桜とはこれ!」と思っているソメイヨシノも、江戸時代のとある園芸家によって生み出されたものですよね。
さて、それでこの本。
変わり朝顔を知るにはこの一冊!と、その小説の参考文献として挙げられていたもので、その時にはすでに絶版になっていました。
あの手この手で探した結果、北海道のとある古本屋さんにあると判明。
すぐにメールを送って取り寄せたところ、一緒に丁寧なお手紙が入っていました。
曰く、この本は、その古本屋のご店主のお父様が所蔵していた本だったとのこと。
まさかこの本を探している人がいると思わなかったからびっくりした。価値がわかる人に持っていて欲しい…と、だいたいそのようなことが書いてありました。
私も別に専門家でもなし、価値がわかる人と言ってもらっていいものか悩ましいところですが、ありがたく私の手元にお招きした、というわけですニコニコ
中身はなかなか専門的な内容も多いのですが、豊富な写真を見るだけでも楽しい、自慢の一冊です!
 
 
 
二冊目
「世界はうつくしいと」
 
 
表紙にフクロウが描かれているからという理由で買った一冊。
この名著になんという失礼な!という感じですが、実はその時、私ものすごくフクロウに興味があったんです。
よくよく考えたらものすごく有名な詩人の作品。それをジャケ買い…もとい、表紙買いした私。
正直、しばらくは飾ってあっただけで、全然中身を読んでおりませんでてへぺろ
長らく積ん読してしまったのですが、あるときふと読んで見たら、素晴らしかった。
考えて見ると「詩」というのは、あまり読む機会がないなと思うのですが、皆様はいかがでしょうか?
私は高校卒業し、現代文の授業がなくなって以来、詩を読んだことは…一度もなかったかも知れません。
しかし改めて読んで見ると、大人になって初めて良さがわかる作品がたくさんあるんだなぁと感じました。
この中で私が特に好きなのは、まずは表題作である「世界はうつくしいと」。
そして、「机のまえの時間」という作品。
特に「机のまえの時間」は、手作りの机の上で窓から差し込む光がチラチラと揺れる光景や、それがだんだん橙色に変わっていく様子が目に浮かぶようで、すごく好きです。
いつか、この作品を朗読できたらいいなぁ…。
 
 
 
3冊目
「しろくまのパンツ」
 

友人から「絵本読むんだ!?」と驚かれましたが、私結構絵本好きなんです。
でも、これは大人が子どもに読ませたがるような、いわゆる絵本的な「いい話」ではない。笑
内容を説明すると即ち致命的なネタバレになってしまうので避けますが、この本は面白いです。
あ、文字通りの意味の面白いです。なにも含みはありません。
絶対に子ども達は喜ぶと思うし、大人も思わず笑っちゃうと思います。是非読んで欲しい!
なお、最初に表紙のしろくまさんのパンツを脱がせないと、お話が読めません。
無理やり本を開こうとして、くまさんの大事な赤いパンツを破ってしまわないよう、ご注意をてへぺろ

 

 

 

4冊目

「美しい海の浮遊生物図鑑」
 
 
これは選ばざるを得ない。
私はしばらく「放散虫」という生物の化石の研究をしていました。
ブラタモリを観ている方ならご存知のアレです。
その関係の学会に出向いたとき、こんな本が出ました〜!と紹介されて、新潟の本屋で、早速買った本がこれです。
地元の本屋で買えばよかったのに、早く手に入れたくて、先生と一緒に宿舎近くの本屋へ走り、一緒に買ったのも良い思い出…。
この本で使われている写真は、海棲プランクトンの専門家ではなく、ダイバーの方が撮ったものだそうです。海を楽しむプロならではの写真がいっぱい。どれもとても美しいです!
私の専門たる放散虫は、それほどたくさんは載っていませんが(なお、現生の放散虫については、私は全然知分かりません…)ありとあらゆるプランクトンの写真が満載で、見ているだけでも楽しい!
地球にはこんなに色々な生き物がいるんだなぁと、感心してしまいますおねがい

 
 
5冊目
「天使は瞳を閉じて」
 

演劇に関わっている人なら誰でも知っているだろうと思われる、鴻上尚史さんの名作。こちらは戯曲です。
学生時代、演劇に夢中になっていた私が、最後に立った舞台がこれでした。
そしておそらくは、それがこのまま人生最後の舞台にもなると思われます。
社会人が演劇を続けていくのって、すごく難しいことなのでえーん
鴻上尚史さんの作品には、大好きなものがたくさんあるのですが、私にとっては、やっぱりこれがダントツです。
この作品、いくつかバージョンがあるんですが…私には、やっぱりこの本が一番!

神様が死んだ世界で、天使が見守っているのは、透明な、消して破ることができない不思議な膜に覆われた、平和な街。幸せな暮らしはその内側で、だんだんと、静かに壊れていきます。
人はどれほど愚かで、どれほど悲しいか。
人が憧れる「天使」とは、では、いったいどれほど人間と違うというのか…。
どこかふわふわとした幻想的な雰囲気の中、一つ一つのエピソードはとても現実的で、何度読んでも胸が痛む…そんな作品です。
静かに終末へと向かう、優しい絶望。
誰が観ても、きっとシンとした哀しみとある種の怖さを感じるだろうし、「これは自分だ」と思ってしまう登場人物が見つかるんじゃないかな。
ちなみに私はケイという女性の役をやったのですが、今でもあれは私だと思ってます。
粗削りで、今思えばダメダメな素人舞台だったけれど、あれを最後の舞台にできて、私は本当に幸せでした。
 


6冊目
「友だち幻想」
 

これは大人にはもちろん、是非とも高校生に読んでもらいたい作品。
クラスメイトや部活の仲間と「仲良くしなければならない」と考え、その重圧と窮屈さに苦しんでいる人へ、思考の方向転換を促してくれる良書です。
語り口が優しく、言葉遣いも平易で分かりやすいです。
こういう新書にありがちな「なんかよく分からないけど難しい本を読み切ったから賢くなったかも!」という謎の幻想を抱くこともありません。
人間は一人一人違うから、皆と仲良くするのはものすごく難しい。
しかも、特に高校生くらいの若い世代では、仲良しならばこうでなければいけないという思い込みによるルールが非常に厳しく、共感をベースにした付き合いの中では、他者である「友達」との些細な違いも許せなくなりがちです。
人間関係につまずいて、それが原因で一足飛びに「自分は集団に馴染めない人間だ」だから「自分は人付き合いが苦手だ」と思い込む。
うーん…大人も同じか。
実際、現代は実に多くの人々が自分は「コミュ障」だと認識していますよね。
この本を読み終わると、そうか、それでいいのか…と思える。
そして、明日は少し違うやり方で居てみよう…そう、少しだけ生きるのが楽になる。
そんな一冊です。
 
 
 
7冊目
「燃えよ剣」
 

ブックカバーチャレンジだってのに、これはなんなのか。
実はこの古〜い文庫本は、父の本棚にあったものを奪いとったものです。中学生の時に。だもん、古い。カバーなんて初めから失われていたし。笑
というわけで、ブックカバーチャレンジという名前にはそぐわないのですが、これこそ私の人生のバイブルだと豪語している作品なので、絶対に外せず。
記念すべき最後の一冊としてチョイスしました!
今年は岡田准一さん主演の映画も公開されることになっており、文庫も新装版が発売され、にわかにリバイバルブームになっているこちらの作品。
司馬遼太郎の描く土方歳三があんまりにもかっこよくて、もうこれは皆惚れるはず。
自分だけの美しさを追求して駆け抜けた「最後の武士」の人生を、是非とももっともっと、もーっっっと多くの人に読んで欲しいなと思います。
 
は?司馬史観?
は?事実捏造?
別にいいんだよそんなことは。歴史小説は教科書じゃないんだよ!
 
というわけで、司馬遼太郎の作品が好きだというとすかさず嫌味垂れてくる人がたくさんいるんですけど、私全然気にしなーい。
そういうのは、読んだ人の認識の問題だから。
あくまでこれは小説だと認識してればそれでいいんだよ!
小説なんだから!
面白ければそれでいい!!
なお、沖田総司が色白の美少年に描かれがちなのは、この作品が原因だとか。
ちなみに、近藤勇が口のデカさをネタにしがちな人として描かれるのは、事実だからです。笑
彼らが思い描いていたこの国の形。今のこの国は、この世界は、胸を張っていられるのかな…読むたびに、そんなことを考えてしまいます。

 
 
というわけで、今日は本の話題でした。
今年はどんな本と、あるいはどんな物語と出会えるのかな??ラブ


さて。
次回あたりには、また「泪橋ディンドンバンド」の話をしたいと思います。色々考察するためにパンフレットも手に入れたので
ではみなさん、引き続き健康第一で、ステイホーム!です爆笑