「就活必勝の鍵はな、根拠のない自信と、それを正当化するなにかしらの根拠。・・・・・・つまり、信念や!!」
今にも探偵濱マイクが出てきそうなアンニョイな雰囲気のバーでひとり語気を強めるほろ酔いの俺。
その日から時をさかのぼること三日前の、友人平田大輔(一留)とのメールの一こまから今回の話は始まる・・・
「おまえ、そろそろ就活がんばってんのか??」
「やってるけども、一体どぉーすることが正しい就活かよーわからん。一人で考え込むと欝になるから、哲学書読んでる。」
おいおい、おまえまさか実の妹に性行為をはたらいた変態が書いた本でもよんでんじゃないやろなと不安になりつつ
「んなもん読んでたら余計欝なるわ!!んで、鬱や。自己分析の相談乗ったろか??」
「ほんまに頼みたい!おれ、最近フリーターでもいいんじゃないかと思ってきてるもん。」
かれは時々道を踏み外しそうになる。これは俺が両のほっぺをひっぱたいてでも正しい道に導いてやらねばならんということで後日お酒を飲みに行く約束を強引に取り付けた。昔から女と就活にお酒はつきものである。
話の舞台をバーにもどす。
その前にグローブのマークパンサーの話を一つ。
彼は、グローブ結成前にT.小室から「今、男女のユニットで、ラップやってくれる人探してるんだけど、マーク、できる???」と聞かれ、即答で
「できます!!」と自信満々に答えた。しかし、実は全くラップなどやったことがないというからおもしろい。
人間、自信なんていうものは所詮はったりで作り出せるものなのである。
しかし、マークには信念があった。
「出来るかわからないことであっても、自分がやりたいことであればうそをついてでも自分をアピールする」という信念だ。その信念がT.小室に自信を感じさせ、機会の創出を生んだ。その後のマークの活躍と、現在の凋落ぶりは、みんなが見てのとおりである。
再びバーに話を戻して、
「なんやねんそのしょうもないアドバイス!そんなんで就活成功すんのかよ!!!」
と平田大輔。
そしてその後も僕のわけのわからない就活理論は続く。
面接官は基本、同等か、自分以下や。
就活生の80%はしょーもないやつばっかりや。。
グループディスカッションは出会いの場や。。。
自分を動物に例えると??って質問された時点で退出したほうがいい。見込みないと思われてるから。
云々・・・・
最後に彼はこう言った。
「なんか、お前みたいな奴でも就活いけたんやったら、俺もいけるとおもえてしゃーないわ。」
彼は気づいていない。
知らず知らずのうちに、僕によって、根拠のない自信を植え付けられたことを。