グランシアター、この件で初めて知りました。
生きている間に、一度は利用してみたいものです。
もし、 グランシアターで観るならどの作品が良いかな?
ゴジラ? 次のキングダム??
そんな話、だれが興味あんねん!でした。ごめんなさい。
(ここから先、長文です。お許しください)
で、最近、SNSで大炎上していたのは、かなりざっくり書くと、車椅子の人が、グランシアター(バリアフリーでない)で観賞後、介助を拒否されて、支配人から他を利用するようにお願いされたとのX投稿。
(元の投稿は削除されていますが、詳しく知りたい方は、イオンシネマ、車椅子 等で検索してみてください)
元の投稿者は、蛍光ピンクの薄っぺらい紙で 鶴を折り続ける人達のお友達だったらしく、より炎上に拍車がかかっていました。
さすが、蛍光ピンクの千羽鶴はよく燃える…
感情に訴えるようにSNSでイオンシネマを批判をUPするその投稿は、 以前、JRの無人駅に前連絡も無しに突然来て、急遽呼び寄せられた駅員に車椅子を運ばせて、その様子をしっかり画像でSNSにUPしたクレーマーと同様に、計画的?、閲覧稼ぎではないかと思わせるふしも。
投稿者片方の言い分やし、誇張はあるやろうけど、でも、大筋の内容は実際に起きた事のようです。
残念なのは、その投稿者へのバッシング。
あまりにも的はずれ多く、反千羽鶴の誹謗中傷罵詈雑言はもとより、福祉職の方なのに、社会福祉士を名乗る方も、法律に詳しそうなどこぞの経営コンサルタントまで…
『合理的配慮』が、いかに日本人に浸透していないかが炙り出されたニュースでした。
⭐⭐⭐
2006年に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」を日本が批准(条約内容を守らなければならない)したのは2013年。
批准までに7年もかかったのは、日本国内の法律が、追い付いていなかったからです。
この条約のキモは、
障害者のルールを、当事者である障害者を抜きに決めるな!
です。
障害者の人権=本人の意志(希望)
(=の上下に斜めに点々付いたのをよう探さんかったので、乱暴ですがもう=にしてしまいました)
障害者人権を尊重する法を整備するために7年…
そして登場した『合理的配慮』
本人の意志で行う社会活動、ここでは
『グランシアターで映画を観る事』
を、車椅子を理由に断られる社会的障壁の話です。
この社会的障壁を除去する事はどっかに置いといて、
・車椅子席があるやろ!
・車椅子なんやから贅沢を言うな!
・イオンシネマは車椅子でも映画を観れるようにしてくれとるんやから、それで満足しとかんかい。
と、自らの乏しい価値観を押し付け、
・グランシアター利用はワガママや!
は、 ブレブレです。
心の中に潜む「ズルいやん」、幼いの子のやっかみに近いかもしれません。
で、何故か、このタイプのバッシングは言葉が汚ないし。
ボクは福祉住環境コーディネーター2級なので、ついでに知識をひけらかしておくと、車椅子は基本的に移動用に造られているため、学習等、長時間の使用には不向きなものが殆どです。
もし車椅子ユーザー、新幹線で敦賀まで行くのはしんどいから、ちょっと奮発してグリーンにしてんのに、何故か車椅子アカンて言われて、しんどいやんって文句言ったら、横から、車椅子席があるやろ!そっちでガマンせい!ってなじられたら、きっとお尻ツラいですね。
本人の意志は、新幹線で敦賀に行くだけでなく+グリーン席で楽に なのに。
もうひとつバッシングの流れは、
『合理的配慮』には当たらない!
『過重な負担』は断れる。
厚労省リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」から、下の青枠部分を抜き取ってきてのバッシング。
ウソかホンマかは定かではありませんが、元投稿者が言うには、「それまで三回グランシアターを利用して、介助してもらってたので、今回もお願いした」 となっています。
・でも、それはイオンシネマの善意で、それを当たり前と思うなよ。
・介助は、事業の一環に当たらないし、専門職でないと危険な要請、過重な負担だから断れる案件…
・合理的配慮が理解できてないんですね……
鬼の首でもとったように、正義の剣を振り回すバッシング。
確かにそこだけは正義かもしれないけれど、現実はイオンシネマが要請された配慮を合理的でないと断っただけ。
結局、イオンシネマは合理的配慮を何も施しておらず、
他所へ行かれてはどうですか?
と排除。
上記の青枠を切り抜いた人達は、その青枠を見つけて、満足してしまったのかもしれません。
でも、その青枠に続く、次の部分まで目を通したのかどうか…
『留意点』もさることながら、合理的配慮は なされないまま、重要とされている『対話』による合理的配慮も欠けたまま。
『合理的配慮』今は努力義務、4月からは義務になります。
このケースでの本人の意志は、「介助の要請」が本質でなく、「グランシアターの利用」なのは『対話』を交わせばすぐ判明したのではないでしょうか。
『建設的対話』をすれば、その時は無理でも、今後、前もって連絡を入れたら予めスキルのある人員を用意するとか、階段に渡し板で簡易なスロープを組めるかもしれない
(画像からの福祉住環境コーディネーター2級のボクの見立てをまたまたひけらかすと、座席間の余裕があるので二段目位の高さの簡易踊場の設置でL字にすれば安全な斜度を確保できるはず)…
きっと色んなアイデアも出るでしょう。
このイオンシネマがオープンしたのは2017年、合理的配慮が努力義務(障害者差別解消法)は、それより前の成立2013年、施行2016年。
このシネマの設計者はグランシアター以外に車椅子席を設定しただけで終わり、グランシアターの車椅子ユーザー利用を想定できなかったのです。
シネマ設計者の限りなく過失に近い努力不足と言わざるをえません。
障害者もやけれど、10年もすれば、団塊の世代の車椅子ユーザーかどっと増え、それもお金も持ってる世代、「グランシアター車椅子で行こかいな」って人、あるあるのはず。
厚労省のリーフレットを切り取らずに最後まで読めば、イオンシネマの合理的配慮に欠けた対応への謝罪は妥当な判断と思います。
しかしながら車椅子ユーザー側にも、配慮せよと求めるだけ、言いっ放し、受身で待つだけでなく、自ら『建設的対話』を求める姿勢が必要と考えます。
リーフレットにも『双方』って書いてますよね。
本来の目的は、イオンシネマから謝罪を得ることでなくて、イオンシネマのグランシアターで映画を楽しむことなのですから。
⭐⭐⭐
今後、同様のクレームは間違いなく続いて起こるはず。
謝って済ます対応だけでは、どうにもならなくなるのは時間の問題です。
合理的配慮 、ボクもそうでしたが多くの日本在住の方は、
・日本は『お・も・て・な・し』の国
・『気くばり』は、幼い頃からススメられてますよ
・合理的配慮って、 取り立てて何かせなアカンの?
・気くばりと何が違うん?
なのではなかったでしょうか?
例えば老舗旅館の名物女将、
「お困りの事ございましたら、何なりとおっしゃってくださいましな…」
と、口にすれど、文句どころか細かいところまで気の効いた心配りに感服するプロの接客を味合わせてくれます。
もちろん障害者にだって。
お客様に文句なんて言わせない、クレームを恥とする接客サービスのプロの話。
これは
「申請してくれたら、考えますよ」
申請がなければ、何もしない申請主義、お役所仕事と同じスタイルにも見えます。
でも、実際は、女将さんは女将さんの方から積極的にお客様を観察しており、お客様自らが発信するより前にお客様の意志を察知し、対処します。
老舗旅館の名物女将さんなら、合理的配慮を難なくこなしてくれるでしょう。
でもでも、残念ながら、7年かけて整備した合理的配慮のルール、日本ではまだ、申請主義、お役所仕事 止まりの認識しかありません。
女将さんのプロの技なんて、身に付けられるはずもないボク達は、本人の意志を認めて、社会的障壁を知り、義務となった合理的配慮をするために、積極的に『対話』を求めていかなアカンのです。
ある小売店の接客七大用語です。
いらっしゃいませ
ありがとうございます
かしこまりました
少々お待ちくださいませ
申しわけございません
お待たせしました
またどうぞお越しくださいませ
どちらの小売にも、似たような販売用語が使われています。
ボクは、最近思っているのですが…
4月から義務となる合理的配慮を遂行するため、対話へ導くために、これらに加えて もうひとつ用語が必要ではないかと。
それは
お手伝いすることは ございませんか?
英訳すると
May I help you?
ボクは、接客で、下手したら、いらっしゃいませ(Welcome )より頻繁に使用されている国を いくつか知っています。
もちろん、どの国も障害者の権利に関する条約の加盟国です。
仕事でなくても、車椅子、白い杖、赤いヘルプカード… 街で見かけたら、声かけしようと思います。
お手伝いすることは ございませんか?
ちょっと言いにくいかな?
なんか、噛みそうやけど。でも。
長い長い戯言にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん