呪いのブレスレット27 | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

「亜美、そんなところでなにしてるの?」

「きゃっ!」

考え事に耽っていたあたしは、背後から突然声をかけられて声を上げた。

両腰に手を置いた玲奈だった。

「なんでそんなに驚くのよ」

「えっ? ううん。ひとりだと思っていたから……」

「変な亜美。非常階段を使ってどこへ行ってたの?」

「ちょっとね」

怪訝そうな玲奈の顔だけど、あたしはなんでもないように装い歩き始めた。

自分に起こる不可思議な出来事を、まだ玲奈に話しが出来る状態ではなかった。

結局、ホームルームでかっちゃんは誰が事故に合ったとは言わなかった。

あれは夢だったんだ。そう思いたい。だけど、あたしの肩に指の形が血ではっきり付いていた。

それに、いつの間にブレスレットが左手首にあったし。

考えると全身が重くなってだるくなる。
 

「亜美、行こう」

玲奈が立ち上がり、あたしに言う。

「行こうって?」

みんなもガタガタと椅子を引いて立ちあがり教室を出て行く。

「もう、亜美ったら大丈夫? 終業式で体育館に移動でしょ」

「あ……」

あたしは慌てて立ち上がる。

「最近の亜美、変だね?」

「そうかな。行こう! みんなに置いて行かれちゃう」

あたしは勘ぐるような瞳を向ける玲奈の腕に、腕を強引に絡めて引っ張った。

体育館はすべての窓が全開していたけれど、生徒の熱気と、外の暑さでムワッと暑い。

男子生徒のワイシャツの背中に汗染みが作られていく。

あたしもこめかみに伝う汗をタオル地のハンカチでぬぐう。

「体育館、クーラーあるんだからつければいいのにね」

「そうそう。短い時間なんだから、電気代ケチらなくてもいいのに」

みんなが暑さに文句を言っている。
 

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