「Love Step」(147) | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

スタバを出ると梨沙をドライブに誘う。


「車なんだ、少しドライブする?」


「・・・良いんですかぁ?」


ドライブに誘われて梨沙は飛び上がるほど嬉しかった。


「良くなかったら誘わないよ」



* * * * * *



「杏梨ちゃん、何か良いことがあったのかしら?」


お客様が帰り、ネイルサロンを掃除する杏梨に琴美が聞く。


「え・・・?」


一瞬、何を言われたのか分からず、モップを持つ手を止めて小首をかしげる。


「だって、鼻歌」


琴美が笑う。


「あ・・・」


無意識に歌を口ずさんでいたようだ。


「す、すみません お仕事中に」


「いいのよ?責めているわけじゃないの すごく可愛かったから」


笑顔の琴美だが、心の中では幸せそうな杏梨が妬(ねた)ましかった。


「何があったか聞いてもいい?」


「え・・・っと・・・」


昨日、ゆきちゃんが愛しているって言ってくれたって言えないよ。


「私は妹みたいな杏梨ちゃんが幸せそうだと嬉しいの 弟を3年前に亡くしているから」


「琴美さん・・・」


優しい言葉を言われて言ってしまいそうになる。


「昨日、一緒にお食事をしたから・・・帰ってから何か良い事があったのかしら?それともサロンに来てから?お客様にナンパされた?」


「ナ、ナンパですかっ?ち、違いますっ!」


「じゃあ、おうちで何か良い事があったのね?」


琴美は杏梨の事を興信所に依頼し調べ上げていた。

杏梨と雪哉、2人の両親が結婚してアメリカに渡米し、一緒に住んでいることも。

杏梨と雪哉がただの兄妹の関係だとは思えない。

雪哉が杏梨を見る表情や、杏梨が雪哉を見る雰囲気からして何かあると勘ぐっていた。


「・・・そうなんです」


「杏梨ちゃんが羨ましいわ~ 可愛くて素直で、貴方みたいな妹だったらオーナーは可愛がってくれるんじゃなくて?」


琴美は雪哉をオーナーと呼ぶ。


「あら、嫌だ、ごめんなさいね 知りたがり屋のおばさんみたいね」


「いいえ、琴美さんはおばさんじゃないですっ」


琴美の申し訳なさそうな表情に杏梨は急いで言った。



続く


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