「Love Step」(125) | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

彩は苛立ちながら残りの料理を重箱に詰めていた。

「姉貴!」

「もう峻には頼まないわ」

峻の顔も見ずに菜ばしを忙しそうに動かしている。

「・・・分かったよ せいぜい頑張れよ」

峻はバカらしくなって姉の側から離れた。


部屋に戻った峻はもう一度ベッドに寝そべった。


自分の魅力であの人を参らせてみろっつーの。
俺は今、余裕がないんだよ。


昨日黙って帰ってしまった梨沙が気になっていた。
モデル事務所が一緒だというだけでアドレス交換や携帯電話の番号を交換したわけではないので、梨沙と連絡が取れないのだ。
連絡を取るには事務所に行くしかない。
個人情報なので電話では教えてくれないのだ。
事務所に行けば名簿がある。


俺は苛立ちを解消したいだけで梨沙を抱いた。


「はぁ~」

また眠るつもりだったがどうにも眠れない。

峻は起き上がるとクローゼットから服を取り出して着替えた。



* * * * * *



杏梨は床に散らばった髪の毛を掃除していた。


8月15日に行くのかぁ・・・。
ゆきちゃんは1泊して帰るって言ってたっけ。
忙しすぎるよ ゆきちゃん・・・。


いつものように黙々と仕事をこなしながらアメリカ行きの事を考えてしまう。


そうだ・・・パスポート取らなくちゃ。
ママ、大丈夫かなぁ。
ホームシックになっているとは思ってもみなかったよ。

「杏梨ちゃん、お客様に飲み物を聞いてくれる?」

スタイリストのスタッフに頼まれ杏梨は我に返った。

「はいっ!」

飲み物を聞くために女性のお客様に近づいた。



6時に仕事が終わると杏梨は急いでスーパーに向かった。

冷蔵庫の中が空っぽだったからだ。



* * * * * *



今日最後の予約のお客様が終わると8時を回っていた。

お客様を送り出した雪哉は駐車場に白いワンボックスカーが停まっているのに気がついた。

白いワンボックスカーは彩のマネージャーの車だ。

雪哉が一人になったのを見計らって車の中から彩が降りてきた。


続く

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