「あぁん・・・もっと・・・もっと・・・峻・・ちょうだい・・・」
つながったまま梨沙は峻の下で身体を起こして深い快感を得ようとする。
「くっ」
締め付けられる快感に峻は貪欲に梨沙を求めた。
「・・・っん」
梨沙は峻の唇を求め、頬に両手を置こうとした。
しかし峻は梨沙をもう一度ベッドに押し倒し胸の頂を吸い上げた。
「ぁん」
「いけよ」
「しゅん・・・もうだめぇ・・・」
ビクビクッと身体を快感に震わせた。
果てた途端に峻はやりきれなくなった。
どうして好きな女を抱けないんだ・・・。
くしゃくしゃになったシーツの上に仰向けになると梨沙が峻のものに触ろうとした。
「やめろよ!」
乱暴に言うとクルッと向きを変えてベッドから降り、バスルームへ消えた。
峻くん・・・。
今まで憧れでしかなかったモデル峻に抱かれて有頂天になった。
それがそっけない一言と態度で気持ちが沈む。
峻くんのバカぁ・・・。
手をつなぎ峻と一緒に歩いた梨沙は嬉しかった。
しばらくするといつの間にかラブホテル街を歩いていた。
峻くんはラブホテル街を歩いている事も気づいていないみたいだった。
あたしが入ろうって言ったら一瞬、躊躇(ちゅうちょ)していた。
・・・あたしがホテルに誘った・・・。
手をつないだまま考え事をしていた峻くんはあたしと寝るつもりなんてなかったはずだから。
涙ぐみそうになりながら梨沙は脱ぎ散らかった服を集めて急いで着ると部屋を出た。
* * * * * *
シャワーを浴びて気持ちが少し落ち着くと梨沙にとってしまった態度を申し訳なく思った。
髪を拭きながら部屋に戻るとそこに梨沙はいなかった。
「帰ったのか・・・」
乱れているベッドを見て峻は嫌悪を感じた。
そして梨沙に申し訳なかったと・・・。
自分は杏梨の変わりに梨沙を抱いた。
「くそっ!」
峻は手に持っていたタオルを床に叩き付けた。
続く