「Love Step」(104) | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

早い時間のお開きに不満げな若者一人。

「え~ もう?」

峻がつまらなそうに言う。

「峻くん、杏梨は高校生なんだ 明日があるし」

「あ~ 忘れてた お前、高校生だったな」

「わたしまだ居たいっ!」

お子様扱いにムッとした杏梨は言い張った。

「雪哉、杏梨ちゃんは峻に送らせて私たちはまだ飲みましょうよ?」

彩も早すぎるお開きに不満だった。

「いや、遠慮しておくよ 明日も忙しいんだ」

「わかったわ また付き合ってね?」

お酒で頬がピンク色になった美しい顔に笑みを浮かべた。

そのお色気のある微笑を見ていた杏梨はドキッとなる。

キャミソールタイプのワンピースを着ているから胸の谷間も見えているし、服から出ている部分がすべてピンク色に染まっているように見えて女ながらに目のやり場に困ってしまう。


峻くんはお姉さんだからなんとも思わないと思うけど、ゆきちゃんは?
彩さんに微笑まれただけでうれしくなるに違いない。
いきなりお子様だなんて・・・わたし、彩さんと比較されちゃったのかな・・・。


* * * * * *


店を出た4人は2組に別れてタクシーに乗った。

ゆきちゃんは行き先を運転手さんに言ったっきり何も話さない。


やっぱり怒ってる・・・。
だけどね?ゆきちゃん わたしも怒っているんだよ?
彩さんの隣でデレっとしていたんだから。
いや、デレっとはちょっと違うけど・・・。
彩さんとばかり話していたし。
おかげでわたしは峻くんとばかり話す羽目になっちゃったんじゃない。
しかもお子様扱いするなんて酷いよ。

腕を組んで目を閉じている雪哉を横目で見てから窓の外に視線を移した杏梨だった。


続く

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