「Love Step」(64) | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

杏梨の言うとおり抱くのは簡単だ。
それに好きな子を愛するのであればそれは最高のものとなる。
だが杏梨は衝動的になっている。
お前の気持ちは?
俺がお前の側にいる唯一の男だから言っているのではないのか?

「ゆきちゃん!」

雪哉の手が離れてしまい、杏梨はパニックにおちいる一歩手前だった。

「ゆきちゃん!行かないで!」

嫌われちゃう!

分かっているのに止められない。

「杏梨、今は夢を見て混乱しているんだよく考えるんだ 衝動的に走れば後悔することになる」

杏梨から離れてドアに向かう雪哉は振り返って言った。

「ゆきちゃんが相手してくれないんなら違う人を見つけるっ!」

「杏梨、何を!?」

杏梨は立ち上がって小さなカバンを手にした。

「待てよ!」

自分の脇をすり抜けて行こうとする杏梨の手首を捕まえる。

「離して!忘れさせてくれる人を見つけるんだからっ!」

脅しではなかった。

このトラウマを払拭してくれる人を見つけに行こうとした。

「何をバカな事を言っているんだ!」

「離して!」

「杏梨っ!」

杏梨の両肩に手を置き瞳を見つめる。

杏梨は潤んだ瞳を向けたがすぐに視線をそらした。

「知らない男がお前に触れて我慢できるわけがないだろう?」

「我慢できる そうしたら忘れられるもん!」

俺は他の男に触れさせる気はサラサラない。

「・・・分かった」

次の瞬間、雪哉は杏梨の唇にキスをした。


続く

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