「Love Step」(30) | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

目の前にたっぷり入った五目チャーハンの皿が置かれる。

「こんなにたくさん・・・食べられないよ」

みれば2人前はありそう。

山盛りに盛られた皿がもう一つある。

細身に見えるけど、きれいに筋肉のついたゆきちゃんは驚くほどたくさん食べる。

「しっかり食べろよ?」

チャーハンは好きだけど今は食欲がなかった。

ゆきちゃんにじっと見られていたわたしはレンゲに手を伸ばした。


~~~♪~~~♪

雪哉の携帯電話が鳴った。

「はい」

『雪哉さん、杏梨ちゃんは大丈夫でしたか?』

心配そうな声のめぐみだった。

「ああ、軽症ですんだよ」

『それは良かったです あの・・・2時に笠原様の予約が入っていますが』

笠原 リリ子 今人気絶頂のモデルだ。

「悪いけど電話して後日か、もしくは誰かにやらせて欲しい」

『雪哉さん!そんなの無理です!』

会社経営者の父を持つお嬢様でかなりの我がままだ。

彼女に嫌な思いをさせられたスタッフはかなりいる。


めぐみの声がチャーハンを黙々と食べていた杏梨の耳にも聞こえた。

杏梨は雪哉の元へ行くと携帯電話を取り上げた。

「おい、杏梨っ!」

携帯電話を耳につける杏梨を睨む。

「めぐみさん、ゆきちゃん 行かせますから」

『杏梨ちゃん、助かるわ 雪哉さんの事よろしくね』

雪哉に携帯電話を取られないうちに杏梨は返事をして切った。

「杏梨、勝手な事を言うなよ」

雪哉が怒った顔になる。

「わたしは大丈夫だからお店に行ってよ」

なだめるようにニコッと笑う。

「24時間は杏梨から離れたくないんだ」

医者は24時間、様子を見て欲しいと言っていた。

「車にぶつかったわけじゃないから大丈夫だよ 痛いのは摩擦で擦りむいた所だし 予約の人が終わったら帰って来てくれる?わたしはお昼寝しているから」

杏梨の言葉に雪哉は渋々頷いた。


続く

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