有明の月とは夜が明ける頃まで残っている月のことで暁月ともいいます。
「今来むといひしばかりに長月の有明の月の待ちいでつるかな」 素性法師
あなたが今すぐに来るというので、それを信じて秋の夜長を待ち続け、とうとう有明の月が見える時間になってしまいました
この頃は通ってくる男を女がひたすら待つ時代で当然、携帯電話もなく使いの者が文を運んでくるしか連絡方法はなかったでしょうから、来ない相手を待つ時間はそれはそれは長く感じられたはずです。
今なら・・・すぐ来ると言ったくせに何があったのか知らないけど携帯も繋がらない!結局ぶっちぎられて本当にムカつく男!って感じでしょうか(笑)
事故にでも遭ったのかしら・・・と心配しているうちはまだいいけれど、待つ女はいろんなことを考え出します。
私をほったらかしにしてでも逢いたい女が他にもいるのかと、猜疑心の塊が胸の中で渦巻いて怒りのメーターの針は振り切れんばかりです。
有明の月は儚く、日が昇ると同時に見えなくなってしまいます。
女心と秋の空・・・あんまり待たせ過ぎると貴方を想う女心はどこかに行っちゃいますよ・・・。