筥崎宮の秋祭りと言えば「放生会」です。
子どもの頃、親に連れられて、綿アメやリンゴ飴目当てに行ったことを思い出します。
果てしなく続いているかのような夜店は子どもの私にとって夢のようでした。
だたひとつだけ、近寄りたくなかった場所…
見世物小屋と言われるところです。
楳図かずお風のおどろおどろしい看板の絵…少し高い台に座って客を呼び込むおじさんの口上…。
「お客さん!見ないと一生の損だよ!」
「損しても一生見たくない!」と親の袖を掴んで泣きながら前を通り過ぎたものです。
大人になり、女三人で放生会に行った時、三人とも見世物小屋に入ったことがないという話になり、しばらく呼び込みのおじさんの前に…
「ヘビ女!見ないと一生の損だよ!」
損得はどうでもいいけど、ちょっと見てみたくなった私たちは思い切って入ってみることに…
そして中で見たものは…
不味そうな顔をして死んだヘビをブチブチ食いちぎってる女の人でした。
そういうことだったのね。
見てはいけないものを見てしまった三人はしばらく無言のままでした。
よぉ~く考えれば放生会とは「生命を慈しみ、殺生を戒めるための神事」のはず!!
ヘビ食べちゃっていいの?
放生会とヘビ女…秋の夜長に思い出す、何とも言えない思い出です。