家柄は良いが今は落ちぶれ、寂しく暮らす美しい姫がいる…。




そんな噂がプレイボーイの光源氏の心を動かしたのか源氏は末摘花の元を訪れ暗闇の中、枕を交わします。




恥ずかしさで声も出せない純情な姫を可愛く思う源氏でしたが、ある雪の朝に末摘花の顔を見てビックリ!!




胴長で痩せこけて顔は蒼白く、長くて赤い大きな鼻…。(でも素晴らしい黒髪の持ち主でした)




源氏は「やらかした!」と思ったのでしょうか(笑)




しかし、時既に遅し…。




末摘花は光源氏の虜になっています。




醜い容姿の上に歌や琴の才能もない末摘花ですが、通って来なくなった源氏をひたすら想い、待ち続けます。



結局、そんな彼女を源氏は見捨てず二条東の院に迎え、末摘花は幸せに暮らします。




不器用で不細工で堅苦しく、世間知らずの末摘花を源氏はなぜ見捨てなかったのでしょう?




美しく才能がある姫なら男が放っておかないけど、この姫は自分が何とかしてやらねば…という同情もあったのかもしれません。




六条の御息所は執念深さの上に不動のプライドがありました。




でも末摘花は源氏を一途に想い、純粋な心で待ち続けます。




末摘花は紅花の異称…紅い花→赤い鼻だから末摘花です。




紅花は油や染料になりますが、刺があり摘むのが大変なのだそうです。




源氏物語の末摘花には刺がありませんでした。




恋をして傷つけ、傷つけられ、歳を重ねるといつしかプライドという刺の鎧に身を固め、自分を守るために思ってもないキツい言葉が口から出てしまいます。




きっと私は刺だらけの女…触ると痛そうだから誰も抱き締めてくれそうにありません(笑)