毎日新聞からです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c4d19f66b045494e4f7de5349f38fa54da05fc9b

 

「全国動物避難所マップ」開設目指してCFスタート 岐阜のNPO「ペットと人の命を守りたい」

10/12(月) 7:00配信

 

全国の動物避難所マップ作成に向けて支援を呼びかけるクラウドファンディングのサイト

 

 岐阜市の認定NPO「人と動物の共生センター」が、災害時にペットを預ける「動物避難所」を全国に設置する計画を進めている。避難所は全国各地のペットホテルやペットサロンなど動物を扱う事業所を想定。そうした事業所や防災の関係者に呼びかけて設置・運営に向けた協議を始めており、2022年3月までに100カ所の避難所登録が目標だ。避難所のマップサイト開設などの費用調達に向け、クラウドファンディング(CF)で支援を呼びかけている。

 

 【図解】コロナふまえた避難所のあり方

 

 災害時におけるペットの救護対策を巡っては環境省が13年にガイドラインを策定。原則、飼い主とペットが安全な場所まで「同行避難」すると定めている。一方で動物が苦手な避難者への気配りも求めており、避難所の細かい運営は自治体や自治会に任せられているのが現状だ。過去の災害ではペットの受け入れができない避難所やペット連れの被災者が周囲に遠慮して避難所に入れず、車中泊や壊れた自宅などでの「軒先避難」を選ぶケースも。同センターによると、新型コロナウイルス禍の下ではスペース確保が求められ、ペットの居場所確保が困難な避難所もあるという。

 

 「ペットと人が分かれて避難できれば双方の安全が確保される」。動物避難所の計画は、そんなシンプルな発想から生まれた。日ごろからペットと接する事業所なら食料などを備蓄しておけば動物避難所として活用できると考えた。また、避難所となる事業所には、平時にはペットの防災啓発拠点として地域住民の相談に応じてもらうことを想定している。

 

 ◇安心できる「居場所」確保が課題

 

 全国の動物避難所の場所が一目で分かるウェブサイト「全国動物避難所マップ」は21年の梅雨時期までの開設を目指す。同センター理事長で獣医師の奥田順之さん(34)は「災害時にはマップで事前把握している動物避難所に預け、自身もためらわず安全な場所へ避難できれば。ペットと人の命を守りたい」と強調する。同センターの事務所は自身が経営する動物病院内にあり、災害時には動物避難所として開放する予定だ。最長で40頭の犬を2カ月間受け入れる態勢を整えており定期訓練も実施している。

 

 動物避難所の設置に向けた協議に参加する九州保健福祉大の加藤謙介准教授(社会心理学)は「熊本地震などでペット支援に携わる中で飼い主とペットが安心できる『居場所』確保が課題と痛感した。避難所環境の改善などさまざまな手段があるが、動物避難所の設置も人とペットの減災の大切な手段の一つ」と話す。

 

 資金調達は岐阜市のふるさと納税CF(https://www.furusato-tax.jp/gcf/1036)を活用。期間は11月15日までで、サイト設立や運営費用など計424万円を目標額に設定している。【川瀬慎一朗】