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「引退馬の受け入れ難しくなる」 名馬のたてがみ被害、許しがたい理由
9/23(月) 9:47配信
たてがみを切られたタイキシャトル(ヴェルサイユファーム提供)
引退した名馬のたてがみを切り取る事件が相次いで起きている。
9月15日には、タイキシャトル(牡25歳)、ローズキングダム(牡12歳)と2頭のG1馬のたてがみが切られていることが分かった。
さらにダービー馬ウイニングチケット(牡29歳)や菊花賞などを制したビワハヤヒデ(牡29歳)も被害に。ウイニングチケットについては、たてがみがメルカリで販売されていたという情報も出ている。
●補助金は月2万円、監視カメラは数百万円
被害にあった牧場では、監視カメラの導入などが検討されている。
ヴェルサイユファームでは、暗視機能のついたカメラ8台を設置予定。電気工事なども含め、費用は200万円超になる見込みだ。現在、一般見学を中止しており、再開するとしてもカメラ設置後、しばらくしてからになるという。
サラブレッドは経済動物。引退後、乗馬や繁殖など「第二の馬生」を終えた後、余生の面倒を十分に見てもらえる馬は少ない。課題を解決しようと、さまざまな団体が活動している。
ジャパン・スタッドブック・インターナショナルも「引退名馬繋養展示事業」として、常設展示などを条件に助成金をつけている。しかし、中央競馬の重賞馬で月2万円しか出ない。馬の管理や見学対応としては割に合わないと考える関係者も少なくない。
今回被害にあったタイキシャトルもこの助成金の対象馬。認定NPO法人「引退馬協会」から預託されているヴェルサイユファームの岩崎崇文社長は次のように話す。
「高額な監視カメラが必要になるなら、『助成金なんていらないから見学をやめたい』という考えが出てきます。引退馬を受け入れてくれる牧場もなくなっていくでしょう。一部の人の心ない行為が引退馬の行く先を狭めていることを理解して欲しいです」
引退馬の余生は個人や複数で里親になったり、寄付したりするファンの支えが大きい。しかし、有名馬の見学が縮小されるようなら、そうした支援も縮んでいきかねない。
●「馬に携わっている人はみんな許せないはず」
人間の髪の毛を切れば、暴行罪などに問われるが、今回は他人の動物の毛を切り取ったということで、器物損壊罪にあたりうる。すでに警察が捜査を開始している。
「最初から売ってお金にする目的だったと分かれば、窃盗罪が適用されるかもしれません」と話すのは、北海道の足立敬太弁護士。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしく科料(1000~9999円)」。一方、窃盗罪なら「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と重くなる。
足立弁護士は三冠馬オルフェーヴルの一口馬主でもあった。
「競走馬は生まれた時から骨身を削って戦いに明け暮れている。ようやく余生を送れるようになった、それも歴史に残るような名馬のたてがみを切り取ろうだなんて、敬意がなさすぎます。馬は繊細な生き物で、馬の命に関わる大事故につながるおそれもあります」
今後は馬を守るため、牧場が費用をかけてセキュリティーを強化することが予想される。ファンが馬に触れ合う機会も制限されていくだろう。心ない行動が馬事文化に大きなダメージを与えている。
~転載以上~
引退したり活躍できなかった競走馬の、じつに99%が殺処分されているというあまりに悲しい現実を、当ブログでも繰り返し伝えてきました。
今、馬たちを救うための取り組みが各地で始まっています。
こうした悪質な行為が、ただでさえ行き場のない馬たちの未来をますます奪うことになる…犯人には、事の重大さをしっかり認識してほしいと思います。
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