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ネコと「共生」目指すトルコ 町ぐるみで保護、救急車を用意

2019.4.30 06:20

 

アジアと欧州にまたがるトルコは「ネコ好き」の住民が多いことで知られる。中でも最大都市イスタンブールは町ぐるみでネコを大切にしている。地元自治体には野良猫を中心に動物保護に当たる専門部署があり、救急車も用意して「共生」を目指している。

 

トルコ・イスタンブールの公園に集まったネコと触れ合う女性と赤ちゃん=4月7日(共同)

 

 

イスタンブールは至る所で日常的に野良猫の姿が見られる。公園や路地裏、モスク(イスラム教礼拝所)、商店街-。飲食店にネコが入ってくることもあるが、市民の多くは笑顔で受け入れる。

 

「トルコ人が動物を大切にするのは昔からの文化で、ネコは特別だ」。市ベシクタシュ地区の動物保護センターのムスタファ・ユン所長が強調する。

 

 センターは市の各地区にあり、ベシクタシュでは獣医師や動物看護師ら約30人が所属。全員公務員だ。専用の電話回線で市民の通報に対応し、救急車4台も使い、けがや病気のネコなどの保護や手術に当たっている。

 

 治療後は、ネコが元にいた場所に戻すのが基本だが、引き取り手も探す。地区内の各公園にはネコの住居用の小屋も設置。野良犬にも狂犬病予防の注射や去勢手術を行い、耳にタグを付けて全て管理している。「日本で行われている殺処分は絶対しない」という。

 

トルコ人は大半がイスラム教徒。預言者ムハンマドがネコを大切にしたとされることも、トルコ人がネコ好きな理由の一つだろうと語るユン氏は「(自由で気ままな)ネコはトルコ人に似ているかもしれない」と笑う。

 

経済発展や都市化が進む中、動物虐待や、イヌやネコを捨てる飼い主も増えたというが「街は人間だけのものでない。ネコとの共存は今後も続いていく」と語った。(イスタンブール 共同)