先日、和歌山県太地町のイルカ漁で、母親と引き離され連れ去られる赤ちゃんイルカについてお伝えしました。

 

太地町イルカ漁 お母さんから引き離される赤ちゃんイルカ

 

 

こうしたイルカたちが、中国の水族館へ輸送される様子を海外ニュースが伝えています。

 

The Dodo

Sad Photos Show How Wild Dolphins Are Shipped To Marine Parks

 

より要約、翻訳。

 

 

今回、日本から中国山東省の水族館、蓬莱海洋極地世界へ輸送されたのは、ハンドウイルカ10頭(年齢が2-4歳のメス8頭とオス2頭と報じられています)。

 

現地のニュースでは、イルカたちがどこで捕獲されたのかには触れられていませんが、飼育下にある海洋ほ乳類について調査するCeta Baseの担当者は、イルカたちは太地町で捕獲された可能性が極めて高いと話しています。

 

水族館は、イルカを研究や繁殖、教育に利用するとしていますが、こちらではイルカやアシカのショーを目玉としており、また、近くイルカとのふれあいができると発表していることから、ショーへ利用されることが主な目的と見られています。
 

Ceta Baseによると、この水族館は過去にも複数回太地町からイルカを購入しており、2006年に6頭、2008年に3頭、2013年に10頭入手しています。

 

 

このイルカたちが、母親など家族が殺されるところを目撃したかどうかはわかりませんが、これまでの過程で多くのストレス、トラウマを抱えてきたことは容易に想像できます。

 

恐怖に満ちた捕獲を経験し、家族と引き離され、海から上げられ、乾いたスリングに乗せられて輸送されるイルカたち。

 

 

人民日報

 

 

 

 

 

 

 

多くの人間に取り囲まれ触られ、人工的な照明に照らされ、写真を撮られ、飛行機の騒音の中見知らぬ場所に運ばれ、狭いプールに入れられ訓練されるイルカたちのストレスは、計り知れません。

 

海洋ほ乳類学者のナオミ・ローズ氏は、何頭かのイルカには皮膚に傷が見られることから大人の可能性もあり、移送先の水族館に適応できるか懸念されると話しています。

 

またPETAの野生動物専門の獣医師、へザー・ラリー氏も、「施設へ移送後50日間は死亡するリスクが最も高く、その期間を生き延びたとしても、その後は狭いコンクリートの水槽に閉じ込められ、彼らにとって自然であり大切なことをすべて制限された生活が続く。輸送と水族館の環境は、イルカたちの健康に深刻なリスクをもたらす」としています。

 

 

中国新聞網

 

 

 

 

 

 

sdnews

 

 

人民日報

 

 

 

★日本語の記事はこちら

 

ハンドウイルカ10頭が専用機で山東省煙台市に到着

 

 

韓国では、日本から輸入されたイルカが相次いで死んだことが問題となっています。

 

またイルカが1頭死亡…「水族館はイルカの墓地か」(韓国)

 

 

世界的にシャチの繁殖やショーへの利用を廃止する動きが広がる中、近年動物園・水族館の建設ラッシュである中国では、先月末に珠海市の水族館内に国内初となるシャチの繁殖施設もオープンしました。

 

QUARTZより。

As countries move to ban orca captivity, China opens its first killer-whale breeding center

 

この施設では、5才~13才のシャチ(オス5頭、メス4頭)が飼育されています。

 

香港のイルカの保護団体は、飼育下にあるシャチの寿命は野生のシャチと比べて短いこと、そして施設を開設した国内最大級のテーマパーク運営会社「チムロングループ」のこうしたプログラムが、中国における水族館産業を活性化する可能性があるとして、懸念を示しています。

 

 

New China TV

 

 

水族館サイト