ヤフーニュース(ハンギョレ新聞)からです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160419-00023912-hankyoreh-kr

ロッテワールド、水族館用シロイルカの輸入中止 動物福祉に一歩前進

ハンギョレ新聞 4月19日(火)11時54分配信

 

 

動物虐待に改善の動き 
2013年に輸入した3頭のうち1頭 
敗血症で死亡し動物虐待の論議高まる 
他の水族館にも波及するか注目 
動物自由連帯「残りも野生に戻そう」

 ロッテワールド水族館がベルーガ(シロイルカ)の追加搬入の中止を宣言した。イルカ飼育・展示を自然に終了することになり、世論の反発に直面した他の水族館や動物園もこれに続くか注目される。

 ロッテワールド水族館は18日、「今後はもう鯨類の追加搬入を行わない」とした上で「人為的な繁殖研究をすることなく、動物福祉の強化のための環境づくりに邁進する」と明らかにした。このような方針は、動物保護団体「動物自由連帯」との協議を通じて決定され、ロッテワールドや動物自由連帯はこの日、共同報道資料を通じて今後も協力する方針を示した。

 2015年、ロッテグループの重点事業である「第2ロッテワールド」の建設に伴い開館したロッテワールド水族館は、国内で最新の海洋哺乳類と魚類の展示施設だ。同館は国内では珍しい北極イルカの「ベルーガ」3頭(ベリー、べラ、ベロ)をロシアから輸入し、水族館の目玉として広報していたが、このうち1頭のベロが今月2日に敗血症で死亡したことで、動物虐待をめぐり論議になった。今回の措置により、ベリーとベラは、水族館で展示されるうちに自然な死を迎えるものと見られる。

 ベリー、ベラ、ベロは子どもの時、ロシアのオホーツク海で捕獲され、ウラジオストク近くの飼育施設「チンロセンター」で収容されていた。国際自然保護連合(IUCN)の資料によると、チンロセンターは1年に20~30頭の野生ベルーガを捕獲し、世界中の水族館に供給しており、「バンドウイルカの虐殺地」で悪名高い日本の太地と共に、国際環境団体の監視対象になっている。ロッテワールドのイルカたちは2013年5月、ここから韓国に輸出されている。国内に搬入された当時、べリーは6歳、ベラは2歳、ベロは2歳だった。

 「動物自由連帯」はこの日、「ベリーとベラが若い年齢でロシアから捕獲されてきたことから、国内外の専門家との協議を通じて、野生に戻す可能性を検討すべきだ」と主張した。イルカは、元の生息地に戻さなければならない。また、野生で生きていた経験が長ければ長いほど、成功する可能性が高くなる。済州(チェジュ)沖合の海に戻すことに成功したミナミバンドウイルカのチェドリは、野生で7年以上生きていた。ロッテワールド水族館のチョン・ジユン展示チーム長は18日、「ベルーガがいつ野生で捕獲されたのか、公式的な輸入書類上の記録はない」と話した。

 

~転載以上~

 

 

以下もハンギョレ新聞より。

http://japan.hani.co.kr/arti/culture/23903.html

 

 

済州島の水族館から放たれたイルカが野生繁殖 世界で初めて確認

 

2016.04.18 09:10

 

15日午後、済州道西帰浦市沖の海岸でサンパリが子連れで泳いでいる。海に戻されたショーイルカの野生繁殖が確認されたのは世界で初めてだ=ナム・ジョンヨン記者、済州大学・梨花女子大イルカ研究チーム提供//ハンギョレ新聞社

 

違法に捕獲され3年間ショーに利用
海に放たれ3年後に親子遊泳を目撃

 

   イルカショーに使われ、野生の海に戻されたイルカが繁殖に成功していた事実が、世界で初めて確認された。

 

 済州(チェジュ)大と梨花女子大のイルカ研究チームは17日、「2013年に済州沖に戻されたミナミハンドウイルカの『サムパリ』が子連れで泳いでいる」と明らかにした。研究チームのチャン・スジン研究院(35)とキム・ミヨン研究院(28)は先月28日、サムパリと1メートルほどの大きさの子のイルカが寄り添って泳ぐ「親子遊泳姿勢(mother-calf position)」を最初に目撃した(写真)。その後、15日まで続いたモニタリング期間中、2頭のイルカは7日間観測され、ずっと親子遊泳を維持しており、サンパリが繁殖に成功したのが確認された。

 

 サンパリは2010年5月、済州市涯月邑高内里の沖合で違法に捕獲されたミナミハンドウイルカだ。西帰浦市にあるイルカショーの会社「パシフィックランド」に売られて3年間イルカショーに利用され、2013年の大法院(最高裁)の没収判決により、ソウル大公園「チェドリ」を野生に戻すプロジェクトに合流した。サンパリは最終的に海に放たれる直前、破れたイケスを脱出して他のイルカより先に野生の群れに合流し、話題を集めた。

 

 チャン・スジン研究員は「サンパリが子どもと一緒に最初に目撃されて以降、近くにいた他の子供ではないか、持続的な行動を示すかなど集中的に観察した。15日まで2頭がずっと寄り添っていることから、サンパリが子を産んだものと分析した」と明らかにした。

 

 親子遊泳姿勢は母イルカが子イルカを背につけて泳ぐことにより、水の流れをかいくぐる子を助けて危険に対処しているイルカの典型的な行動だ。

 

 サンパリは、最後に観察された昨年11月初めまで1頭で泳いでいたことを考慮すると、子の年齢は半年も経っていないものと推定される。ミナミハンドウイルカは10代半ばに繁殖可能な成体となるため、サムパリ(13~15歳と推定)は今回初めて出産を経験をした可能性が高い。

 

 これまで米国とオーストラリアでイルカを野生に戻してきたが、科学的モニタリングによって野生に戻された個体の繁殖と養育が観察されたのは、今回が初めてだ。イルカ研究チームのキム・ビョンヨプ済州大教授は「水族館のイルカを野生に戻して絶滅危機種の保全に寄与したことに意味がある」と話した。ミナミハンドウイルカは国内で唯一、済州島沿岸に110頭余りが生息する絶滅危機種で、保護対象海洋生物に指定された。サンパリをはじめ、チェドリ、チュンサミ、ボクスニ、テサニの野生に戻されたイルカ5頭は、当時の一部の懸念とは異なり、野生の群れに合流してうまく生き延びている。

 

 

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