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キッコーマンがNPOとの対話拒否、NPOへの賛同署名7万通以上に

オルタナ 11月18日(水)13時14分配信


キッコーマンが、動物実験の中止を求めたNPO法人からの対話要請を拒否し続け、NPO側に賛同するオンライン署名が7万通以上に達したことが18日、分かった。(オルタナ編集長 森 摂)

同社は、CSRのグローバル規範の一つである「国連グローバル・コンパクト」に日本企業として初めて署名し、CSRに真摯に取り組んできた企業とされているが、ステークホルダーからの対話要請を無視し続ける姿勢に疑問の声が上がっている。

キッコーマンに対話を申し入れているのは、NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA、長谷川裕一代表)。オンライン署名サイト「change.org」に「しょう油や豆乳のために動物を犠牲にしないで」と題した要望書を掲載し、18日現在、約75000通の賛同の署名が集まった。

要望書によると、キッコーマンはしょう油や豆乳などの食材の健康効果を証明するために動物実験を行っているという。


例えば「ラットの喉にチューブを通し、そこから発酵豆乳を強制的に繰り返し投与する」「肥満体に育成したマウスにシトラスエキスを与えて殺処分する」「心疾患を引き起こすために、ウサギにコレステロール値の高い餌を与え、のちに殺処分する」「外科的に通したチューブからマウスの胃にしょう油を強制的に投与したのちに『断頭し脳を摘出』する」ーーなどの例があると要望書は指摘している。

キッコーマンの動物実験問題については、世界有数の動物保護団体の一つであるPETA(本部・米ヴァージニア州)が数年前から中止を申し入れてきたが、同社は無視をしてきたという。

そのため、JAVAが今年9月、対話の場を設けてほしいとキッコーマンに連絡した。しかし同社は「申し入れ自体を無視」し、対話の場を持つことすら拒絶している。

JAVAは1986年の設立以来30年近く、化粧品の動物実験の廃止を訴え続けてきたNPOだ。資生堂や花王など大手化粧品メーカーに動物実験を止めるよう求め、資生堂はこれに応じて2013年4月、動物実験を基本的に廃止した。

これに続き、花王も2015年、ソフィーナやカネボウを含む化粧品全ブランドについて、開発段階での動物実験を廃止した。

国内の大手化粧品メーカーが相次いで動物実験廃止に向けて大きく舵を切った中で、JAVAは最近、食品会社に対する動物実験廃止のアクションを始めた。


JAVAは11月6日、キッコーマンに対して「動物実験を実施する際のガイドラインはあるか」「代替法がない場合には動物を用いた試験を最小限にとどめるとあるが、この検証と判断は誰が行っているか」ーーなど7項目の質問状を送った。

「キッコーマンに電話するとたらい回しをされ、サイトに出ている動物実験の方針以上は説明することはないので意見交換はしないと告げられた」(JAVAの亀倉弘美理事)。

キッコーマンは2001年、CSRのグローバル規範の一つである「国連グローバル・コンパクト」に日本企業として初めて署名した。CSRでは企業がさまざまなステークホルダーと中長期的な関係を築いて、社会的課題を解決していくことが求められる。キッコーマンもCSRを標ぼうする以上は、このような社外からの要望に対して耳を傾け、対話を始めるのが筋だろう。

コカコーラやウェルチ、伊藤園などの企業はPETAに対して「動物実験をしない、動物実験に出資しない、動物実験に加担しない」と宣言している。資生堂や花王も、JAVAと対話を続け、動物実験の廃止に至った。キッコーマンにも真摯な対応が求められている。

JAVA(動物実験の廃止を求める会)の関連サイト
http://www.java-animal.org/kikkoman/