★日本農業新聞より

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33768


口永良部 全島避難1カ月 牛の安否心配 帰島めど立たず


(2015/6/29)


鹿児島県・口永良部島の新岳が噴火し、29日で1カ月。火山活動が収まらず、島内に約60頭の和牛を残したまま、農家の避難生活が続く。子牛を島外に移動する計画は、18日の再噴火で見送りの状態だ。帰島のめどは立たない。「一日も早く、牛の姿を見たい」。農家の祈りは届かない。

 「噴火してから、頭の中は空っぽだ」。繁殖和牛12頭と子牛3頭を口永良部島に残したままの野元正延さん(88)は重い口を開いた。噴火で島を離れて以来、牛の姿を一度も見ていない。

 1カ月で3回の一時帰島が許された。だが、野元さんは参加できなかった。避難所に前日夜まで一時帰島の情報が届かず、手を挙げるタイミングを逸したのだ。

 放牧だから必ず生きている――。そう自分に言い聞かせる。それでも「雨が続いて飲み水の水路は詰まっていないか」「ダニが出る時期だから、病気になってしまわないか」。嫌な想像ばかりが頭をよぎる。

 「一度でも帰れないものか。何とかチャンスが欲しい」。野元さんは涙ぐむ。今年は雨が多く、屋久島町が晴れたのは数日。避難所から外出できず、体を動かす機会が少ない。体調が優れず、点滴を定期的に受けるようになった。

 町では、仮設住宅の建設が始まった。避難所の20世帯32人が8月上旬に入居できる計画だ。母牛18頭を育てる新村牧場で働いていた村井順子さん(68)は「仮設住宅はありがたい。でも本当は、口永良部島に帰って暮らしたいね」とこぼす。

 口永良部島で生まれた牛は、3カ月齢ほどで屋久島の町営牧場へ移し、育成と和牛登録を行っている。島に残った子牛は13頭。JA種子屋久は行政とともに、子牛の搬出の準備を整えてきた。大型フェリーにトラックを積み、接岸できれば子牛を運び出す算段だ。

 JA口永良部事業所係長を務めていた安永清志さん(43)は、屋久島支所に異動し、業務に当たっている。安永さんは「農家だけでなく、島民にとっては何もできず、することもない日が続いている。気がめいってしまい、体調も崩しがちだ」と不安を強める。

 JAの西橋豊啓常務は「人命は第一だが、タイミングがあればすぐに動く用意をしている。行政と力を合わせ、避難した農家の助けになりたい」と力を込める。(竹林司)





★読売新聞より

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150629-OYT1T50126.html

一時帰島、梅雨明け後か…口永良部噴火1か月

2015年06月29日 22時51分


 鹿児島県屋久島町の口永良部くちのえらぶ島・新岳(626メートル)の爆発的噴火に伴う全島避難から1か月となった29日、町は避難者向けの説明会を開いた。

 避難者の関心が高い一時帰島に関しては、梅雨明け後になるとの見通しが示されたほか、島内の道路状況などをあらかじめ確認したうえで、3グループ程度に分けて、フェリーで一時帰島させることなどが説明された。

 町によると、29日時点で、口永良部島の全86世帯137人のうち、71世帯118人が屋久島内、15世帯19人が島外で避難生活を送っている。

 説明会には、避難住民の半数以上にあたる71人が出席。荒木耕治町長や気象庁職員らが、一時帰島や火山活動の現状などについて説明した。

 島内には現在、自家用車約80台、牛60頭などが残されている。町側は、これらをフェリーで搬出するには、3回程度に分ける必要があると説明。住民からは、一時帰島の順番を決める名簿をどのように作成するのかや、1回でどの程度運べるのかといった質問が出た。このほか、避難の長期化に備えた支援の拡充などを求めたという。




関連記事リンク



★毎日新聞


口永良部噴火1カ月:長期避難、生活支援に課題




全島民が避難した爆発的噴火から1カ月が経過した口永良部島に残る牛=鹿児島県屋久島町で2015年6月29日午前9時38分、本社ヘリから須賀川理撮影




全島民が避難した爆発的噴火から1カ月が経過した口永良部島に残る馬=鹿児島県屋久島町で2015年6月29日午前9時41分、本社ヘリから須賀川理撮影




★西日本新聞


家族の夢「また島に」 噴火1カ月、口永良部・関口さん夫婦 [鹿児島県]




愛犬のモコと散歩する関口浩さん(右)と妻の久子さん=29日午前8時20分ごろ、鹿児島県屋久島町




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http://ameblo.jp/momokohime7/themeentrylist-10090843216.html