先月27日、イギリスの新聞デイリーメールに、アニマルレフュージ関西 の代表で、長年日本で動物保護活動を続け、震災の被災動物の救済活動もされているエリザベス・オリバーさんの活動や、ファッションの道具にされる動物たち、悪徳ブリーダーや「走る殺処分車」についての記事が掲載されました。


http://www.dailymail.co.uk/news/article-2285606/Victims-fashion-fad-Bred-satisfy-celeb-craze-handbag-dogs-hope-courageous-British-woman.html



内容を翻訳して抜粋します。



流行の犠牲になる動物たち

~セレブファッションの「ハンドバッグにおさまる犬」として日本で繁殖される犬たち。彼らの唯一の希望は、勇気ある英国人女性。



●悪徳ブリーダーは、早ければ一週齢で子犬を母犬から引き離す。

●子犬たちはネイルを塗られ、ペットショップに並べられる。

●日本では、犬の繁殖はドラッグや売春よりも利益になる。

●たとえ悪徳ブリーダーから救い出されても、7日間の間に飼い主が見つからなければ殺処分される。



との見出しで、セレブファッションの流行の「ハンドバッグにおさまる犬」として、そして暴力団の莫大な資金源のために繁殖され、劣悪な環境の中で餌も水も与えられず放置され、栄養失調に陥った犬たちの様子が紹介されています。



「昨年MBE(the Most Excellent Order of the British Empire。英国女王が国家と社会に貢献のあった個人に贈る勲章:大英帝国五等勲爵士)を受勲したエリザベス・オリバー氏(70)は、日本の悪徳ブリーダーと、見て見ぬふりを続ける行政と20年間闘ってきた。


オリバー氏は40年前に来日したとき、この国の動物たちに対する愛情の少なさにショックを受けた。

アニマルレフュージ関西の代表をつとめるオリバー氏は、ドラッグや売春よりも犬の繁殖によって多大な利益を上げている「ヤクザ」の複雑なネットワークと勇敢に闘っている。


子犬たちは、冷酷なブリーダーによって早ければ一週齢で母犬から引き離され、パリス・ヒルトンやミランダ・カーらに代表される海外セレブのトレンドの、はずせないファッションアクセサリーとして派手なペットショップに並べられる。


”私はこの数年間、一人のブリーダーを追ってきた。九州にある彼の繁殖施設に入ると、そこは死んだ犬、瀕死の犬たちであふれていて、それはあまりにもひどい状況だった。痩せこけてひどい皮膚炎を起こした何百頭もの犬たちが、狭いケージに詰め込まれていて、彼は鍵をかけて犬たちを置き去りにした。


暴力団にとって犬の繁殖は、ドラッグ、銃、売春よりも利益の上がるものになっていて、今では皆がやっている。私は一人の組員に襲われそうになった。彼は最終的に起訴され、繁殖を禁止されたが、罰金は軽いものだった。彼は今も繁殖を続けていて、市民からの苦情があったにもかかわらず、行政は何もしなかった”


行政が介入した場合でも、救出された犬たちには、7日間の間に飼い主が見つからなければ殺処分という残酷な運命が待っている。犬たちは「ドリームボックス」と呼ばれる箱の中でガスにより殺処分される。」




dogs

劣悪な状態で餌も水も与えられず放置されていた犬たち





Caged: A bulldog tries to escape through a gap in the wire and a Shiba Inu awaits his fate on death row
逃げようと、ケージの隙間から顔を出したブルドッグ


Behind bars: Another casualty of the craze for tiny dogs




Caged: A bulldog tries to escape through a gap in the wire and a Shiba Inu awaits his fate on death row
殺処分の迫った柴犬





Our saviour: Brave Elizabeth Oliver

エリザベス・オリバーさん




Fashion follower: Singer Adele with her little friend and Miranda Kerr with a puppy in a bag
バッグに入れた愛犬と外出する歌手のアデール



Fashion follower: Singer Adele with her little friend and Miranda Kerr with a puppy in a bag
バッグにおさまる子犬とミランダ・カー



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記事の中では、デイリーメールの記者が取材した徳島県動物愛護管理センターの、通称「走るペット殺処分車」についても取り上げられています。


こちらについては、2010年2月に朝日新聞が取り上げていますので、そちらを転載します。



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飼い主に捨てられた犬や猫を、火葬施設まで運ぶトラック内で殺処分している自治体がある。犬や猫を集める施設での殺処分が住民に受け入れてもらえないため、考え抜いた末の策だ。こうした方法も含め、全国では年間に約30万匹が殺処分されている。各地の自治体は新たな飼い主探しなどに取り組むが、成果は十分とは言えない。
徳島県動物愛護管理センター(神山町)。山あいにあるセンターの前に止められた8トントラックの荷台に鎮静器(ちんせいき)と呼ばれる金属製の箱(縦横1.2メートル、奥行き1.5メートル)が積まれている。

 センターには県内6カ所の保健所から捨て犬や捨て猫が集められる。職員2人が、連れてこられて7日目の成犬や子犬、子猫計15匹を鎮静器に入れると、トラックは動き出した。運転席のボタンを押すと、犬や猫を閉じこめた箱の中に二酸化炭素が充満する。約1時間後、県西部の動物用の火葬施設に着く頃には犬や猫は動かなくなっている。
移動しながらの処分はセンターができた2003年に始まった。同県板野町にあった施設が手狭で老朽化したため、県が神山町に施設を建てた。その際、住民と「センターで動物を殺さない。焼却しない」という約束になったからだ。県は処分装置のメーカーと相談し、「走っているトラック内なら処分場所を決めずにすむ」と移動式の装置を取り入れることにした。

 センター設立当時の担当者は「各保健所の真ん中に位置し、広い土地が確保できたのは神山だけ。住民感情に配慮するために考え抜いた結論だった」と明かす。これまで年間5千~1万匹を処分してきた。センター職員の獣医師は「できるなら収容した動物をすべて飼って生かしてやりたい。でも、施設や金の問題で、そんなことはできないでしょう」と話す。


奈良市も、徳島の例を参考に移動式処分をしている。02年に人口が30万人を超える中核市になり、野良犬や野良猫の管理を自前でしなければならなくなった。しばらくは従来通り奈良県に委託していたが、08年4月に県が同県宇陀市に動物愛護センターを新設し、事情が変わった。地元住民が施設を受け入れる条件として「処分の数を最小限にして」と要望したからだ。県全体で07年度に殺処分したのは3263匹で、このうち奈良市は558匹を占めていた。県に委託できなくなった奈良市は08年11月に移動式の処分装置1台(4500万円)を入れた。この装置を使って09年3月までに72匹を処分したという。(角野貴之)


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 徳島県は殺処分そのものを減らす取り組みも進めている。県動物愛護管理センターは2003年から、月2回ずつ「飼い主をさがす会」を開き、年間110~218匹を譲ってきた。09年4月からはこれとは別に、収容する動物の一部をNPO法人「HEART(ハート)」(徳島市)に引き取ってもらっている。


 ハートはホームページで犬種や年齢、写真を公開。飼育希望者に大切に飼ってもらえるかを確認し、譲渡後も定期的に連絡を取る。昨年4月~今年1月に県から引き取った61匹のうち39匹が新たな飼い主に譲られた。


 センターの担当者は「人の目に触れる機会が増えるほど助かる動物は増える。民間団体の連携は不可欠」と話す。同様の官民連携は東京都や広島市などでも広がっている。


 熊本市は、ペットを預けにきた人にプロの指導員を紹介している。しつけの方法を助言し、飼い続ける責任感を持たせるのが狙いだ。どうしても手放すという人には、飼い主探しの新聞広告を出すことを勧める。こうした対策で、市が引き取る動物の数は08年度に犬が77匹、猫が318匹で、5年間で半減した。


環境省は06年4月にホームページに「収容動物データ検索サイト」を作り、全国23の自治体が収容する動物の種類や性別、年齢を公開している。08年度からは自治体にえさ代の一部補助や、病気の予防接種代の支給も始めた。


 全国で新たな飼い主にもらわれる犬と猫は07年度で3万6千匹に上る。ただ、全国の自治体の施設に収容された動物の1割にとどまっている。どの自治体の担当者も「無責任な飼い方をする人がいなくなれば起こらない問題だ」と指摘する。


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 動物愛護団体「地球生物会議ALIVE」(東京)の野上ふさ子代表の話 誰もが見たくないものを押しつけあった結果だ。ペットの飼い主は個人の都合で飼い始めたのだから、飼えなくなったら新たな飼い主を探すべきだし、最悪でも動物病院で自分の手の中で安楽死させる方法もある。自治体側も飼い主が引き取りを求めてきたら、最後まで責任を持つよう説得してほしい。


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 動物の殺処分 動物愛護管理法では、都道府県、政令指定都市、中核市などは飼い主の事情に応じて動物を引き取らなければならないと定めている。しかし、各自治体の施設の収容能力には限界があり、狂犬病予防法や各自治体の条例で収容期間が決まっている。収容期間を過ぎた動物は「苦痛を与えない方法に努める」とする環境省の指針に沿い、通常は自治体の収容施設で殺処分される。箱に入れて二酸化炭素を充満させたり、薬物を注射したりしている。



Momoko-Hime's Blog 動物救援隊 外交官 ももこひめ












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