Momoko-Hime's Blog-戦争と動物たち




今日は、埼玉県平和資料館で「戦争と動物たち」展を見てきました。

数え切れないほどの動物たちが戦争に利用され、犠牲になりました。


馬は騎乗や荷物の運搬に、平和の象徴でもある鳩は伝書鳩として、犬は伝令用などに、犬、猫、うさぎなどは食用や毛皮に…。また新しい兵器のための動物実験にも…。


そしてたくさんの動物たちが虐殺されました。

数十万頭の犬が集められて木の箱に入れられ、人目のない場所で撲殺されました。食料不足や、獣医師の出征による狂犬病対策の不備などによるものです。


動物園の動物たちは、国民への警告や戦意の高揚、餌不足などにより殺されました。

上野動物園だけでも、ライオン、象、トラ、熊など14種27頭が殺されました。あるものは硝酸ストリキニーネで、あるものは飢餓で…。とどめを刺すために槍で突き刺したり、首を絞めたりもしたそうです。


メスライオンの「カテリーナ」は、馬肉に仕込まれた毒を察して一口食べて吐き出したため、絶命するまで一時間半以上も苦しみ続けました。


動物たちの殺処分は、新聞などで「お国に殉じた動物」などと報道されました。


ある地域の隣組の回報には、犬の献納運動に関するものがあり、そこには「勝つために犬の特別攻撃隊を作って敵に体当たりさせて、立派な忠犬にしてやりましょう」とも書いてあります。


展示されていたライオン「カテリーナ」の剥製を目の前にして、その瞳を見て、言葉を失いました。

体が震えて説明のできない感情と涙が込み上げてきました。


人間の起こした争いで、なぜ、何一つ罪のない動物たちまで犠牲にならなければいけないんだろう。

そして戦後60年以上が経った今、日本はいまだ同じことを繰り返しています。

私たちは何が起きたか、起きているか知って、語り継いで、すべての命に対する真の愛情を、慈しむ心を育んでいかなきゃいけない。そうでないと、ずっとずっと同じ罪を犯し続ける。


戦後、多くの人たちの苦労や努力で立派に復興して、豊かな国になった。本当に感謝しなければいけない。

経済的には豊かになったけれど…心の豊かさ、人として本当に大事なものをどこかに置いてきてしまったんじゃないかと思う。

改めて人間の身勝手さ、命に対する冒とくに怒り、動物たちに対する申し訳なさで胸がつぶれそうでした。この展示は9月4日まで、埼玉県東松山市の埼玉県平和資料館 で開かれています。