無事LINEを交換し、少しづつ和んだ空気。ここまではまぁ順調。あまりにスムーズに話進むんでちょっと拍子抜け。
同時に安心して、もしかしたらほんまはそんな悪い子ちゃうんちゃうかって思い初めてた。幼稚なだけで悪気はないんかなとか。←単純



『よかった。これでいつでも連絡とれるから安心やわ。
仲良くしよーね。
心配して私にあなたのことを教えてくれた子達には私から全くの誤解やったこと、ちゃんと伝えとくわね。
これ以上話が広まって、専務や社長、社長の奥様に知れたらウチのも立場ないし、あなたも仕事に支障が出ると大変やから。


『……はい。お願いします。
なんか、ほんとももままさんにご心配とご迷惑おかけしてすみませんでした。
ももままさんの耳に入るくらい噂になってるなんて知らなくて。

あたし、これから飲み会参加しません。あ、会社主催の社員全員参加の食事会は別ですけど、二次会とか、少人数での飲み会で○○さんが参加されてる時は行きません。
それからこれから食事会では○○さんの隣りに座ったりもしません。お約束します。


嘘。
自分からそんなんゆーてくれんの?


もしかしてこの子ほんまに被害者なんちゃう?ウチのクソが勝手に盛り上がってただけでほんまに何もないんかも。

それやったら気の毒やん。



『あたし工業高校出身で昔から友達男子しかいなくて。
ちょっと人と距離感が違うとこがあるらしいです。だから前の会社でもおなじような誤解があって少し揉めたんですよ。
それで今の会社に入ったんですけど……』



知ってる。



『○○さんにはそんな相談もさせてもらってたから大丈夫だと思って意識してなかったんですけど。ももままさんがおっしゃるならまた誤解されたのかもしれませんね。』


……やぱなんか嫌かも。

『……。

ありがとう。そんな約束までしてもらって。勇気出して来た甲斐があったわ。
これからよろしくね。
私もね正直最初はどうなるかって思ってたんやけど、○○が気に入る理由が分かったわ。

そうやね。
多分○○は今A菜ちゃんに好意を持ってるしまってるのは間違いないと思う。私からも今日のことA菜ちゃんの気持ち、勿論話はしてみるけど○○は私が無理やりあなた達を引き離すように言わせたと誤解するかもしれない。悲しいけど今A菜ちゃんと色んな話ししてる時が○○にとっては新鮮で一番楽しいと思うから。
A菜ちゃんが言ってくれた通り、その勘違いから目を覚まさせるには今後、仕事以外は○○と接しないことが一番やと思うわ。これまで通りやといつまでも○○は期待してしまう一方かもしらんし。』




水は常に低きに流れる。


人間て信じたい事柄が目の前にあらわれるとついそっちに傾倒してしまうもんなんよね。


『じゃ、他になにかあたしに聞きたいこと。言って置きたいことないですか?この際なんでも聞いてくださいね。』





『もうお父さんと仕事以外では会わないんですよね?』


それまで黙ってA菜の息子の相手しながら聞いてた娘が急に口を開いた


『……あ、はい。

『約束して貰えるんですよね?』


ハッキリした口調で割って入ってきた娘にびっくりしてたら


『あの、今こうやって普通に話してますけど、ママ最近ずっと悩んでて、めちゃくちゃ泣いてて体調もずっと悪くしてるんです。パパもなんかイライラしていつも喧嘩ばっかりして。だから私とも約束してください。
今言ったこと。

もうママが泣かないように協力してください。

お願いします。』