前回の続き、付加資料です。

 

エホバの証人(全世界)の伝道者数、その毎年の増加数をグラフにしました。

 

・毎年の伝道者増加数には、どんな傾向がありますか?

 

・それは時の経過につれて、どう変遷してきましたか?

 

・また、教理の変更や社会情勢の変化とどう関係していますか?

 

そんなことが(前回のグラフよりは分かりやすく)読み取れるか、と思います。

 

なお前回、1960年以降のエホバの証人の現代史を便宜的にざっくり6時代に分けましたが、グラフにはそれも(けっこういいかげんな名前を付けて)書き込んでいます。「まぁ、そういう分類もあるかな」ぐらいでご覧ください。

 

 

グラフの黒線は、(エクセルが勝手に書いてくれる)4年間の「移動平均」です。

 

これは例えば1963年の黒線の値は、1963年当年とその前3年間の合計4年間の平均の値を示しています。

 

”4年間”の移動平均にした理由は、① このぐらいがちょうどグラフが読みやすくなったから、② 何かのWT記事で、「バプテスマを受けるには平均2~3年の研究が必要」とか読んだ記憶があるので、まあ、関係があるかなと言えばあるかも、ぐらいなもんです。

 

しかし「移動平均」を使って分析すると、動向・変化が分かりやすくなるので、一般には株価の何とかやら外国為替の何とかやらの分析でも時々使っている手法ですよね。

 

で、上のグラフの当年の増加数(青い棒グラフ)が「移動平均」よりもが上にある時期は、組織は加速度的に増大していることになります。例えば、1968年~71年、74~75年。1980年~86年などです。

 

逆に下にある場合は、(たとえ伝道者数がプラスで増加しているとしても)組織の勢いが減衰していることを示します。例えば、1972年~73年、76~78年、1997年~2001年、15~19年などです。

 

 

今回注目したいのは、「1975年予言の時代」の前半、「『時』の予言はおかしいでしょ」とした時代、です。おおよそ1968年~1973年です。

 

1975年問題を論じる際、「終末予言により(76年まで)組織が一気に拡大した」と思われがちですが、グラフを見ると、実はそうではなく、72年、73年に一度、組織拡大の勢いが減衰しているのです。

 

 

これは何を意味しているのでしょうか?

 

 

もちろん、それを確認するには、当時の生き証人たちに当時の状況を聞くのが一番大切なんですが(ほほこさんみたいな方はボクの周辺には、いらはりませんので)、まあ、推測に基づいて書くしかありません(← 当たれば聖霊の助け?、外れれば偽預言者?です)。

 

で、72~73年に一度減衰している理由ですが、

 

それはたぶん、Fフランズさんの66年発行『神の自由の自由の子となって享ける永遠の生命』の本の年表に「1975年終末説」が表れて以降、彼も折々に吹聴(?)して、伝道者の増加に拍車がかかったんでしょうが(1967年~71年)、

 

でも良識的なクリスチャンはたぶん「『時』について語るのは、おかしいじゃん」と思ったはずです(?)。その頃には「1925年説」に踊らされて後悔した人々もまだまだご健在だったはずですから。「こいつ、また同じ失敗をするのか?」って。

 

そして同時に、『時』に期待して入信してくる新しい信者たちを横目で見ながら「この組織、何か違う」「何か変わった」と思いつつ、そういう人たちの一部が、静かに組織を離れていったんじゃないでしょうかね?

 

・・・・と、推測したんですけど、実際はどうだったんでしょうかねえ。

 

ま、統計では組織の動静が数理的にはっきり見えても、ただその動静変化の”原因”については、種々の知識、特に当時の組織内の様子についての知識がないと間違った結論を下すことがあるので、注意が必要なんですよね。

 

なんでこれは、仮説です。

 

そんなことで、「ほほこ」さんが記録・公表されているブログ内容って、一級の歴史的価値があると思っています。

 

ああ、あれ、何かの形で出版してくれないかな。(私は紙媒体で見るのが好き)。

 

 

(まとめ?)

「75年予言の時代」の組織拡大には波があり、76年まで一様に増大したのではなく、72年、73年に一度、その増大傾向に減衰が見られる。

 

・ この時期には『時』の予言に違和感を覚えた一部のJWが静かに組織を離れた可能性がある(推測)。

 

下は前回のグラフ。参考まで。

 

 

(編集後記)

個人的には、最近は「くず」グラフが多い中で(←自分で言うなよ)、この2枚はなかなか気に入っています。

 

ああ、ただちょっとグラフを一個あげようと思っただけなのに、時間がかかりましたね。

こりゃ、考えもんですね。

 

グラフを描いて、それについてあれこれ分析していると、次の新しいアイデアが浮かんできて、それのデータをまとめて再びグラフに描き・・・・、そうしてだんだんドツボにハマっていくんですよね。

 

あぁ。。。

 

最近、NHKでカルト二世の苦しみについて放送されたから、自分としてもそれを示すようなグラフを(Pew Reserchのデータから)もういちどちゃんとまとめて示さないといけないな、とは思ってるんですが、現在、なんだか、ヘンな方向でドツボっています。

 

あぁ、抜け出せるか?
 

(記事の終わり)