前回、エホバの証人は発展途上国でしか増えていないグラフを載せましたが、

では、どこが一番増えているのでしょうか?

 

中南米?

いえ、2016年の一番は、アフリカでした。

 

次のグラフをご覧ください。

データは同じく、JW.ORGの年鑑、はじめの方のページ、“地帯からの報告”からです。
 

 

グラフは、地帯ごと年ごとの伝道者”増加数”を示したものです。

 

ですので、縦軸が0より上の地帯は、その年は増加0より下の地域はその年は減少していることを示しています。グラフが上に行けば行くほど、その年にたくさん伝道者が増えたことになります。全世界では、15万人近く増えていますね。

 

アフリカでは急激な増加南北アメリカでは増加のペースに急激なブレーキその他の地域では微増から減少という状態です。

 

以下、各地域ごとに目立った点(笑)を書きます。

 

・成長の59%を占めるアフリカ。でも実は、カトリックもここでは同じように増加。

 

・成長の36%を占める南北アメリカは、急速な右肩下がり。2025年ごろに伝道者数が減少に転ずる見込み。

 

・成長の7%を占めるアジア中東では、フィリピンと禁令下の国々(おそらく中国とベトナム)が成長頭。

 

フィリピンの伝道者数は2017年、日本を抜いてアジア中東で第1位へ。しかし、フィリピンでは報道の影響か、昨年、伝道をやめている人が多いよう。バプテスマ数8,900人と比べ、伝道者増加数が2,880人とかなり低い。

 

日韓の奉仕者は不毛な宣教をかなりがんばっていますが、ここ数年マイナス成長

 

禁令下の国々へは、他の地域から昨年2千人以上が流入した見込み。しかし海外伝道を考えるなら、ギレアデ宣教者学校に倣って、高等教育を。

 
オセアニアは通年、ほぼゼロ成長
 
ヨーロッパ2016年、減少。全世界の-2%。再増加の見込みなし。
 
以下、もう少し詳しく書きました。
長いので、時間のある方はどうぞ。

橙色破線:全世界の集計

前回のグラフにも入れてあるのと同じものです。
前回指摘したとおり、全世界の伝道者数は2038年にピークアウト、最大数を記録した後に減少に向かう見込みです。


青線:南北アメリカ

2011年までは毎年10万人以上の伝道者が増えていましたが、最近は約半分の5万人程度です。右肩下がりです。

とは言え、現時点では、未だ全世界のJW増加数の36%程度を占めています。


しかし毎年、増加のペースが7千人以上減少しています(回帰直線の傾きが-7367.6人/年)。このままのペースだと、およそ2025年前後南北アメリカの伝道者数はピークアウト、最大数を記録した後に減少に向かう見込みです。

なお、近年では、北アメリカ(米国、加国)の増加はごく少ないので、5万人の増加のほとんどは、中南米での増加です。(HP最後に、参考のためにもう一つグラフを入れました。ご覧ください)

 

余談ですが、現在のカトリックのローマ法王(教皇)も、南米アルゼンチン出身だそうです。カトリックでも中南米の信者が多いようです。

 

赤線:ヨーロッパ

基本的に現状維持ですが、2016年に減少に転じました。

ヨーロッパ全体の減少数2,954人のうち、ロシアの減少数2,562人が87%を占めていますので、ロシアでの禁令の影響が大きかったことが分かります。

しかしグラフは全体に右肩下がりですから、今年はもっと減少する可能性もあります。


緑線:アフリカ

近年、エホバの証人の数が加速度的に増加しており、2016年には、増加数の点で世界トップとなりました。
全世界のJW増加数145,079人の約60%がアフリカです。

とはいえ、おそらくサハラ以北ではイスラム教が強いために伝道者の増加は多くないはずです。とすれば伝道者が増加した地域は、(大なり小なりキリスト教化した)サハラ以南のアフリカ諸国がメインだろうと推測されます(未確認です)。

 

なお、参考までに入れておきますが、カトリックもほぼ同じ傾向のようです。

 

『「アフリカ大陸は疑いなく、最高の増加率を示し続けている」と統計局は指摘している。アフリカの信者数は9年間で41%増え』ているそうです。

引用:「世界のカトリック信者増える」カトリック新聞オンライン

 

WTとカトリックが同じ傾向とは、興味深くはありませんか?

 

なぜ、こんなことが生じるのでしょうか?

 

水野和夫は「資本主義の終焉と歴史の危機」の中(集英社新書2014年 p3)で、現在「アフリカのグローバリゼーション」が進行中であることを指摘しています。

新自由主義経済・グローバリズム経済とWT・カトリックは、ひょっとして相性が良いのかもしれません??


紫線:アジアと中東

その地帯の人口に比すとかなり少ないですが、それでも10,273人の増加があります。
これは、全世界増加数の7%です。

日韓を見れば、2016年、この地帯で伝道者が一番多い日本は-705人、5年連続の減少。3番目に伝道者が多い韓国では-226人で2年連続の減少です。

 

フィリピンに注目。

伝道者数が日本について2番目に多いフィリピンは、高い成長率です。伝道者“増加数”は2,880人で、この地帯でトップ、地帯全体の30%近くを占めます。この地帯でトップの成長頭です。今年中に日本の伝道者数を抜く見込みです。(冗談ですが、そのうち日本支部も閉鎖されてフィリピンに移るかもしれません。)
またフィリピンはバプテスマ数が8,900人で、この地帯で一番多く、世界全体でも第8位です。

しかし2016年の伝道者増加数2,880人は、その前年の増加数8,621人から見れば、約67%の減少です。おそらく、昨年は伝道を放棄した人が増えたのでしょう。

フィリピンはアメリカの植民地でしたので、現在でも英語が公用語のひとつであり、コンティ裁判等の英語報道の影響が出ているのでしょう。 アメリカの植民地になる前は、スペインの植民地。 一歩間違えば、日本も同様の経過を辿ったかもしれません。

 

禁令下の国々に注目。

「その他31の国々」は、いわゆる禁令下の国々ですが、そのほとんどはこのアジアと中東の地帯に属するはずです。中東イスラム圏での拡大は難しいと思われますので、アジア、それもおそらく中国やベトナムでの増加がメインになっているはずです。

ここでの伝道者“増加数”は、4,369人。全世界の増加数の3%です。

なお、フィリピンの伝道者増加数2,880人禁令下の国々の増加数4,369人をたし合わせると、7,249人となり、これは「アジアと中東」の増加数10,273人の70%以上を占めます。アジア中東でJWが増えているのは、フィリピンと禁令下の国々(おそらく中国やベトナム)がメインいうことになります。

ですので、このアジア・中東でものみの塔WTの伝道活動を楽しみたい人は、フィリピンか中国等の禁令下の国々へ行くのがおすすめです。

実際、この地域の伝道者“増加数”4,369人そのバプテスマ数1,963人の2倍以上ですので、昨年だけで2千人以上の多くのJWが移転したと思われます。

ただ、中国などではビザ取得が厳しくなっていますので、少なくとも大卒の資格は取っておいた方がよいと思います。聞いた話ですが、ギレアデ宣教者学校も(宣教者のビザ取得のために)、短大卒の学歴に該当するように設計されているそうです。このブログの18歳以下若者の読者数は多くないようですが、「将来外国で自活して宣教するには、大卒資格が必要」と親を説得して進学しましょう。

 

水色線:オセアニア

つまりオーストラリア、ニュージーランド、太平洋の島々です。

2016年は221人の増加でほぼ現状維持です。

 

しばらく同じ調子で推移していますが、来年は減少することでしょう。児童性的虐待隠蔽の調査により、オーストラリア、ニュージーランドでの減少が大きくなるでしょうから。

 

なお、2011年に一時、7,174人の減少を記録していたのは個人的に驚きました。これも児童性的虐待の報道の影響でしょう。

 

まとめ

以上、各地帯ごとに概観してきました。


「組織は前進を続けています」 「増加は、神の祝福と聖霊の働きの証拠です」

by WT & 統治体。

 

これに従えば、WTの上への神の祝福と聖霊の働きは・・・

 

ヨーロッパ、オセアニアでは神の祝福がほぼなくなり

 

アジア中東でも(フィリピン、中国、ベトナムなどを除き)ほぼストップし、

 

南北アメリカでも押しとどめられつつあり、2025年頃には聖霊の祝福がなくなる見込みです。(これは生きてこの目で見れそうだ・・・)

 

アフリカ以外では、ものみの塔協会は祝福されておらず、惨憺たる結果です。

 

真面目な?エホバの証人にお伝えできることは、宣教活動において神からの祝福を受けたいならば、中国もいいですが、アフリカに行くのが一番良いようです。2016年の一年だけで一千会衆以上の増加巡回監督も60人以上増加している見込みです。

 

衰退する日本のものみの塔世界の中では無理でも、アフリカでなら、あなたも巡回監督、巡回監督の奥さんになれるかも!!

 

・・・高校の漢文で勉強した「史記」の「便所のネズミと蔵のネズミ」を思い出します。

でも、自衛隊が帰ってきた内戦状態のところって、アフリカでしたっけ。

身体の安全と治安、健康には、くれぐれもお気をつけて。

 

長い記事をここまでご覧いただき、ありがとうございました。

                                          ももきち

追補グラフ:

下は、上のグラフに、北米(米国・カナダ)、中南米、日韓合計を破線で入れたものです。

 

南北アメリカでの増加のほとんどが中南米であり、北米が来年から減少に転じそうなのが良くわかると思います。

 

日韓がこの7年間、ほぼ増加なく推移していることも分かります。

 

なお、アジアと中東地帯の増加パターンは、グラフには入れていませんがフィリピンの増加パターンと良い相関を示しています。

 

 

引用書籍など

日本が世界のトップを突っ走っているそうです。

成長メインの新自由主義から、新しいタイプの経済体制への脱皮を、日本から始めるべきだそうです。いや、日本だからこそ、できるそうです。

・・・成長メインのWT教をやめるのも、日本から。(笑)
何か含蓄に富む本でした。

 

史記はやっぱり、マンガですよね!

会衆の中で経験するようなこと、いやそれ以上のことが、全部書いてある!!

人間模様の博物館、生態展示、北海道の旭山動物園!!!と言ったら怒られるか。(笑)

・・・若いうちに読んでおきたかったな。若い頃には「三国志」しかなかったけど。

 

(記事の終わり)