10年前の今頃。私はケニアとタンザニアの国境で動物を見てました。象とかライオンとかシマウマとかヌーとか。

檻のない野っ原で動物達の生活におじゃましておりました。



「ライオンとかより、象がやばい。象が走って向かって来た時はマジでやばいから、挑発するようなことは絶対するなよ。」とドライバーに言われたように思います。



国立公園ではテント泊。電気とかシャワーはあった気がします。アフリカのグランピングといったところでしょうか。ただし、そこは動物達の生活圏内。やれ炭をおこして星を眺めながらBBQだのは命取りです。


街灯はおろか民家すらありません。時々動物の気配を感じる、まさにサファリです。



旅程だった1年半分の荷物を背負って歩くには限度がありますから、最低限の荷物にまとめましたが、スキンケアグッズはたんまりと日本から持ち歩いてたように思います。


肩に食い込む荷物。アフリカにたどり着くころにはスキンケアを含む消耗品は半減したにもかかわらず、なぜか荷物の量は減りません。どうしても欲しくて買ってしまったお土産がかさばったのでしょう。


ですが、私は貧乏旅行。基本は1年半の生活できる荷物を自力でしょっての移動です。環境が整ってる地域ならまだしも、やれ石畳やら、舗装されてない道、富士山より高い高地などなど、環境は「旅行」というようなもんじゃなく、そうですね、「冒険」がしっくりくるところででしょうか。

もうどうでもよくなって、身軽になるならいっそ全部捨ててしまいたい。この荷物になんか意味があるんか⁈そんな気持ちに何度もなりました。


しかもそこはアフリカ。通常の人類より高くジャンプできる族と野生の動物達が最寄りのこの地で、スキンケアなんぞはなはだ笑っちゃう。ここで求められるのは〝生命力〟それ一点です。



さて。それから10年後。私はといえば、次号のニュースレターの原稿を提出しました。


お題は〝ダーマローラー〟


加齢に抗うべく、今日この頃の気づきを書きました。


10年前と今。こうも環境が変わるもんかと。

満月見ながらおもいふけった夜でした。