沖縄県の戦前の観光コース

 

旅程

大阪商船沖縄視察(昭和13年)

1日目

10:00 神戸出港。日没ごろ室戸岬

2日目

夜、土佐沖から日向灘を南下。
朝は鹿児島開聞岳を望み、
島々の歓迎をうけ、深夜、名瀬入港。2時間停泊後、出港し那覇へ

3日目

昼過ぎまで沖縄本島山稜左みつつ南航。やがて無電の大鉄塔がみえ出し、那覇の街へ。
14:00 那覇港入港。
目に映るものみな珍し。市街地抜けて波之上宮参拝、護国寺参拝後に糸満町訪れる。
18:00 那覇市旅館「蓬莱館」帰着後、辻で宴会。

4日目

8:00 旅館出発。崇元寺、識名園、桃原農園を見学して昼食。
午後は首里に廻り首里城郷土博物館を見、沖縄神社参拝。その後、円覚寺、泡盛醸造場、尚家、工業指導所を訪れ自由行動。
夕食後は沖縄古典劇見物。

5日目

8:00 旅館出発。
首里を経由して普天間宮参拝。金武から万座毛経て昼食。浦添村で闘牛見物して午後は自由行動。

6日目

21:00 浮島丸出港。一路神戸へ。
23:00 名瀬着発

7日目

 

8日目

11:00 神戸帰着解散

 

 

 

観光と辻遊郭

戦前の沖縄観光において辻遊郭は重要な役割を担っていました。昼間、県内各地の観光名所を巡ったあと、夜は辻にて料理や舞踏を楽しみました。名所旧跡以外の観光スポットが少ない当時、辻が料理・音楽・舞踏といった沖縄文化の提供地となっていました。

 また、観光パンフレットやお土産用の絵葉書に辻の女性が起用されたり、「那覇飛行場開き」といったイベントで辻の「美妓」によって出店の飲食物が来場者に振舞われたこともありました。当時の辻の女性は現在でいう観光キャンペンガールの役割を果たしていました。

 

辻の料亭 「三杉樓」料理の再現

饗宴の料理「三献」

一の膳にはじまって三の膳におよぶ饗応膳。


茶と菓子 中国系茶「清明茶」「くずもち」(唐芋角切りきな粉まぶし)

一の膳   いなむどぅち・そうめん吸い物・さしみ
二の膳   あしてぃびち・角煮・いちむい

三の膳   ミミガー・クーブイリチー・スクカラス 中身汁・らふてぇ・どぅるわかしうからいりちー

東道盆   「東道の主」に由来。

主人となって客の世話をする意味。
形状は四角(五品)、六角(七品)、八角(九品)、円形などがあり、 中に盛り込んだ小皿には色や形が美しく、冷めても味の変わらない上質な酒の肴を客の数に合わせた数で盛り込む。
代表的なものとして、花イカ、ミヌダル、からし菜入りかまぼこ、グンボーマチ、クティンプラ、ターンムから揚げ、シシかまぼこ、ハンビン(半紅)、裏付きチヌク、昆布巻き、スーチキー、ビラガラマチなど