仕事が終わって走って帰る。

わんこの散歩にいくために。

狭い部屋ではわんこのストレスもたまりがち。

散歩にいかなきゃ爆発しそうな生。


飲みに誘われてもチラつく生。


「用事があるので」


と断る。



先に決まっていないイベントは受けられない。




帰ると2つの生が飛んで喜ぶ。


あぁ、この子たちがいてよかったと思う。



あぁ、この子たちを手ばさなくてよかった。


あぁ、この子たちをあの手に渡さなくてよかった。



この子たちの母親は私しかいないのだから。




だけど

時々感じる息苦しさ。



犬アレルギー?

いやそうじゃない。


否、犬アレルギーだけどそうじゃない。




むこうは自由にやってるのか。


簡単に飲みにも出かけられるのか。



私の

ふたつの生の


未来を壊しておいて


笑ったり泣いたりしているんだろう?




でもそのナミダはホンモノかい?







私が選んだこの道を

私は間違ったとは思っていない。

だけど

私が望んだ道ではない。

望んで選んだ道ではない。



真っ黒いモノは消えていないよ。


その真っ黒いモノが

私の大事な大事な生に

自分で向けていると気づいた瞬間に

死にたくなる。



息苦しさを一瞬感じるその瞬間に死にたくなる。




外に出なきゃいけない。

息苦しさを抱えたままにしてはいけない。




できることなら一緒に

大事な時間を過ごしたい。けれど無理なときもある。無理なときがほとんどだ。

苦しくなる。


ごめんねごめんねって泣いたら

ぴたっと体をくっつけて

温かさを感じる。生きてる。



散歩に行って

まだ早い時間にそれぞれの好きな場所で眠るその顔を

見れることが幸せで

私は間違ってなかったなぁと心から感じる。


なるべくなら

向けたくない感情

消したい感情。



犬たちをなでるその手を思い出す。顔は忘れた。


私とは違ってきれいな指をしていたね。

今は死ぬほどそれが嫌いだよ。