最初はもう少しだけ痩せたい‥
と軽い気持ちだったのが、ダイエットがエスカレートしていくうちに全く空腹を感じなくなっていました。


私の腕や脚は痩せ細り髪の毛が抜け落ちてきました。
目はくぼみ肌は浅黒く毛深くなっていました。
もちろん生理はとまり、筋肉が落ちたため電車に乗り込む段差も取手をつかまないと乗り上がらない。
走ることはもちろん、歩いていてもつまずいて転んでばかりいました。
手をつくことが出来ずに、何度顔から流血したか‥



その頃私と姉は、両親が離婚したために父親に育てられていました。
父は朝早く起きて朝食を作り、残業で遅くなる日は朝のうちに私たち娘の夕食も作っておいてくれていました。
洗濯も掃除も全部父がやってくれていたな‥



そんな父も私の異変に気付き、
「少しだけでも食べてくれ」
と私好みの食事を作ってくれたり、気晴らしに外に連れ出そうと声を掛けてくれたりしていました。

根気よく、何度も何度も‥

でも私はその度に
「いい!いらない‼︎」
と首を横に振って拒絶しました。


温厚な父もさすがに
「いい加減にしろっ!」
と箸を投げ大きな声を出したのです。


その時の父の顔は今でも鮮明に覚えています。
怒りで顔が真っ赤になり、でも目には涙が溜まっていました。


でも私はその時すでに「拒食症」という病に陥っていたのです。
抜け出すことができるのかも分からない、恐ろしく長い長い苦しみの病に‥