MRIの検査服に着替え、逃げ出したい気持ちをグッと堪えました。

待っている最中、私は必死に無事にやり遂げるイメトレをしていました。

そしていよいよ検査室に案内され、検査台の上に横になりました。

お腹をベルトで固定され重りの板みたいなものが乗せられました。


ドックンドックン!ドクンドクン‼︎
ドキドキドキドキドキドキドキドキ‼️


鼓動がこれでもかというくらい激しく速くなりました。お腹の上の板みたいなのが揺れ動いているかと思うくらい。
心臓の音が周りの技師さんたちに聞こえているんじゃないかと思うくらい。


私は最初から目をつむっていました。

技師
「目の上にタオルを乗せますか?」
「いいえ!乗せないでください!」
技師
「耳栓をしますか?」
私は
「いいえ!しないでください‼︎」


これ以上閉塞感があったら苦しすぎて息ができなくなってしまう!


検査が始まりました。

苦しい!どうしよう‼︎

私は目をつむったまま
「目の上は空が広がっている」と必死でイメージしました。

目をつむっていましたが、頭の辺りに機械の灯りみたいなものが光っているのを感じ、それが太陽の光だと思い込ませたのです。



それが功を奏し、なんとかやり遂げることができました。


やった!やり遂げた‼︎終わったーーーー‼︎


私はまるで病気が治ったくらいに思えるほどの気持ちになっていました。
気が楽になってスキップして帰りたいほど。


家に帰ったら笑って頑張った報告をしよう!
笑い話に花を咲かせよう!
そんな気持ちでした。
その夜主人のお義父さんから連絡がくるまでは‥


お義父さんはいいました。
「今日病院で検査したら膵臓癌だった‥」と。