機械式時計の最後はティファニー、唯一の手巻き時計である。
これは自分で買ったものではなく、以前書いたように父のオールド・ティファニーの小物収集から回ってきた物だ。
裏蓋には作られた年として1957の数字と、14キャラットゴールド(14金張り )の刻印がある。作られて今年で66歳、所有する時計の中ではもっとも古く、希少という意味ではおそらく価値も一番ではないかと思われる。
調べてみるとこの時代の時計は小さいサイズのものが多く、こちらも32mmとコンパクト。他の時計と並べるとレディース・サイズかと思ってしまう。しかし、ケースの多種雑多の時計にあってこの時計の存在感は圧倒だ。真新しい車が並ぶところにポツリと置かれたクラシックカーのような感じなのである。
機械部分はおそらくどこかのスイスメーカーによるものと推測する。アールデコの雰囲気に日付のない美しいデザインはさすがティファニー。
ベルトはダークブラウンの革以外考えられない。(画像では黒ぽく見えるが、黒ではない) どんな時計であってもゴールド仕様の時計に黒は似合わない。そして、時計を引き立てられるよう自己主張しないものが望ましい。自分の場合、時計の革のベルトはカミーユ・フォルネと決めている。良質の皮を使って上品に仕立ててあるので、もしも革のベルトを探しているならお薦めである。
これが手元に来てからは新たな時計にほとんど触手が動かなくなった。当面、時計集めはここでストップである。