735.消えゆく京町屋・・・
現在の京町屋は25000軒を切っている。2000年代初頭には約47,000軒〜50,000軒だったのを思うと、四半世紀で半減したことになる。 原因は様々あるが、ここも御多分に漏れず高齢化による所有者の離脱。また、建蔽率の関係で、外観をそのままに内部のみを改造するしかないため、維持のコストがネックとなっている。さらに土地高騰の折、土地を売ってマンションなどに建て替わっているのも要因として大きい。 東京近郊でも古い街並み、例えば漁村だった月島や臨海部がいつの間にか高層マンションに変貌している。しかもそれをマスコミがこぞって「素晴らしいですね!」と喜んでみせる。 私にとっても京都は特別なところで、以前は毎年、春と秋に訪れていた。それが変わったのはやはりインバウンド。観光客があまりに多く、どこに行こうにも動きが取れなくなったからである。 狭い間口に長い奥行きは、家を少しでも多く建てるための工夫。知ったかぶりを許していただくと、鰻の寝床のようなスペースに庭を造ると、どうしても中庭のスタイルになる。しかし、それが幸いして気圧の差をつくる。 空気な気圧の高いところから低いところへ移動するため、結果として建物の中に緩やかな風が流れる。大きな空間のない中で、暑さをしのぐ驚くべきシステムである。 そんな小宇宙のような空間と、伝統美の京町屋が消えつつある。黙って見るしかないのが忍びない。