それは、やはりエンパイア・ステートビルであろうか。古くはキングコングがよじ登り、アンディ・ウォーホールは据置きキャメラで、このビルの夜景を撮った。人々の視線を集めるものとして、このビルには孤高と優美さとが備わっている。翻ってこの東京で「東京タワー」を除いて、ランドマークと呼べる建造物はあるだろうか?「六本木ヒルズ」を、東京のランドマークと呼ぶ人は、いまでは少ないだろう。ランドマークたりえるには、神話や孤高の何かが必要である。お金では買えない何か。それはある意味で唯一無二のもの。物ではなく概念。それは文化そのものかもしれない。お金は文化を醸成しうるが、お金では買えないものが文化である。