レジリスタンスとは

 

逆境,心的外傷,悲劇,脅威,人間関係問題,深刻な健康問題などから起こるストレスにうまく適応する力

 

強い風にも重い雪にも、ぽきっと折れることなく、しなってまた元の姿に戻るように、何があってもしなやかに立ち直れる力

 

 

1次的レジリエンス
1次的レジリエンスとは、ストレスがかかる場面で最初に必要となるレジリエンスです。この1次的レジリエンスがうまく機能すれば、すぐにストレスに対処できると言えます。具体的には、

遺伝的要素
元々備わっている危機的状況への強さです。例えば遺伝研究では、日本人はやや不安になりやすい遺伝子が備わっているいることが分かっています。

認知的評価
出来事を必要以上に過大視しない力、現実検討力とも言います。1次レジリエンスが脆弱な方は、ちょっとした出来事を悲観的に見積もる癖があります。

 

情動焦点型コーピング

 

日記につらい気持ちを書く
悲しいことがあった時に我慢せず泣く
不快な気持ちを我慢せず伝える
スポーツで感情を発散する

 

ため込んだマイナス感情を表に出すと、心が整理されて安定することがよくあります

 

ここで、何らかのストレッサーで悩みができたとします。悩みが解決できない場合には、心の防衛機制が働き、悩みを無意識のエリアに押し込んでしまう事があります、これを心理学、とりわけ精神分析では「抑圧」といいます

 

問題コーピング

 

残業が多すぎる会社から転職する
深夜までうるさい隣人に抗議をする
長距離通勤を改善するため引っ越す
喧嘩した友人と話し合い仲直りする

 

認知コーピング

 

偏った考え方から多角的な考え方にする
マイナス面だけでなくプラス面を見つける
失敗から得たことを考える

 

「徐々に慣れていけばOK」「次は話題を用意してみよう!」「場の雰囲気をゆっくり楽しめるのも悪くない」など、考え方を増やすと、ストレスも軽くなります

 

社会支援コーピング

 

悩みを周囲に打ち明ける
友人や家族に相談する
詳しい人に助言を求める

 

親しい人や詳しい人のサポートを得ることで、ストレスに対処することを意味します。心理学の研究では、周りから励ましてもらったり肯定してもらう機会が多いほど、ストレスを感じにくくなることがわかっています。

困った時はお互い様です。辛い時は周りの助けをもらえるようにしておきましょう

 

身体的コーピング

 

十分な睡眠
適度に運動する
食生活を整える
日光浴をする

 

気晴らしコーティング

 

旅に出る

 

このように自分にとってリフレッシュできる方法で、ストレスのコーピングをします。一度、問題から離れて、思いっきり羽を伸ばすことで、ストレスがリセットされていきます
趣味に没頭する
 

 

情動焦点型コーピング(セカンダリコントロール)はストレッサーへの認知の仕方を変えることで、受けるストレスを失くす、または少なくすることです。

 

ものごとの悪い面ばかりを見るのではなく、良い面、価値を見出そうとすることも、情動焦点型コーピングの1つです

 

ただ、これは無理やりにポジティブシンキングしようとすることではありません。

 

同じ状況にあっても、それをどう認知するかで、そこから受け取る意味は全く変わってきます。その認知の仕方を見直すのが情動焦点型コーピングです。

その考え方に心から納得した上で、その考え方を取り入れるということです。(もちろん、そうでないと効果も出ません)


ストレッサーをストレッサーとして認知しない(ストレスをストレスとして認知しない)ということ。

視点を変える、発想の転換・合理化とも言い換えられます

 

 

ストレス解消型コーピングは、受けてしまったストレスを身体の中から追い出す、発散させるという方法です。

 

  • 運動、カラオケ、趣味、旅行などの気晴らし型
  • ストレスとなる体験を誰かに話してしまうなどの情動表出型
  • マッサージやヨガなどのリラクゼーション型

 

問題焦点型コーピングの実施が難しい場合、あるいは時間がかかる場合は、情動焦点型コーピングで対処できないか検討します。

一見、ストレスとしか思えないが、そこから肯定的な意味は見出せないか?また、認知の歪み、非合理的な思考に陥って、必要以上にネガティヴになっていないか?

 
受けてしまったストレスが蓄積して、病気にまで発展してしまう前に身体の中から消し去ってしまおうということです
 
ストレスは一過性のものではなく、見えないところでどんどん溜まっているということを理解しておきましょう
 

やはり、問題は根本から取り除いてしまうのが一番です。


情動焦点型コーピングとストレス解消型コーピングを実施しながら、どうにかストレスをやり過ごし、その間に問題を根っこの部分から取り除けないかを探っていきます。

 

 

 

コーピングをうまく実施するために大事なのは、人に相談することです。

 

 

ある程度ストレスが溜まって追い詰められてくると、考え方に合理性を欠き、視野が狭くなってきます

 

 

そうでなくとも自分の状況を客観的に見ることは難しいものです

 

他人であれば自分が持っていない情報(選択肢)、考えつきもしなかったアイディアを持っていることだってあります。

以上のことから、他人に相談することは非常に重要です

 

相談するのは家族や信頼できる知人、自分を知る人に相談するのが嫌であれば産業医やカウンセラー、心療内科の先生

 

 

悩みを解消するためには、誰かに相談する勇気を持つことも必要です